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- ID:
- 41878
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0622
- 見出し:
- 県産ヒノキ 需要伸ばせ
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/kagawa/news/20180620-OYTNT50246.html
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- 記事
- ◇大半伐採期・・・仏壇や文具家具に使用 県産ヒノキを使った家具や雑貨が増えている。県内人工林の6割を占めるヒノキは伐採の適齢期を迎えているが、需要の低迷で多くが切り出せないまま。森の荒廃にもつながりかねず、木材を扱う県内の企業がビジネスチャンスを生み出そうと、商品開発に取り組んでいる。(猪股和也) ◇県は木工教室、住宅助成 仏壇メーカー「カナクラ」(高松市)は今年5月、県産ヒノキを使った仏壇の販売を始めた。徳島県美馬市の工場で木材加工から塗装、金箔きんぱくの貼り、組み立てまで一貫して製造する。商品部の笹田大輔部長(36)は「海外製と比べて割高ではあるが、木目も細かく、特有の香りもある」と話す。サンメッセ香川の見本市でも評判が良く、受注生産で年間10~20台の販売を見込む
県内では1970年代から、ヒノキが植林されるようになり、大半が間伐や伐採の適齢期を迎えている。しかし安価な外国産木材に押され、需要は低迷。採算が合わないため、十分な間伐ができていない。木が密生すると、森の下層に光が入らず、森は痩せ、水を蓄える機能などが低くなる
笹田さんはこうした現状をメディアや顧客の話から知り、森を守るためにも県産ヒノキを使おうと決意。「県産ヒノキの存在を知らない人も多い。商品をきっかけに興味を持ってもらいたい」と話す
県産ヒノキを使ったランプシェード(高松市で)県産ヒノキを使ったランプシェード(高松市で) 材木卸売業「太洋木材市場」(同)は、県産ヒノキを使った名刺入れやボールペンなどの日常品を製作しており、新たに美しい模様が浮かび上がるランプシェード(照明)も開発した。今夏発売する予定で、既に問い合わせもあるという
同社の樋口一真企画・広報室長(31)は「日常品からヒノキの魅力を感じてもらい、住宅建材など他のものの購買にもつなげたい。ビジネスチャンスが生まれれば、森の手入れも行われる」と語った
このほか、「県家具商工業協同組合」(同)に加盟する家具メーカーは、小豆島産オリーブオイルで仕上げる「オリーブ家具」の素材の一つとして県産ヒノキを使用している
県は、高松市サンポートの「かがわの森 アンテナショップ」で、県産ヒノキを使った玩具や文具、家具を販売、親子木工教室も開き、普及を図る。また県産ヒノキを使った住宅への助成制度も設けている
昨夏の九州北部豪雨では、手入れ不足の山林から多くの木が流れ出し、被害を拡大させた。森林保全は急務で、県みどり整備課は「民間企業からヒノキ活用の動きが盛んになっていてありがたい。官民一体となって機運を高めていきたい」としている
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