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- ID:
- 41146
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0329
- 見出し:
- クマノザクラ「タイプ標本木」(古座川町) 町の花、観光に生かす /和歌山
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- https://mainichi.jp/articles/20180328/ddl/k30/040/404000c
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 紀伊半島だけに自生し、花が純白からピンク色に変化するサクラが今月13日、103年ぶりに国内10種目となる新種と確認された。「クマノザクラ」と名付けられ、研究論文に使った「タイプ標本」を採取した木(高さ14メートル)が古座川町にある。観光や地域活性化に期待されることから同町も19日、「町の花」に指定した。新種と発表した森林総合研究所多摩森林科学園(東京都)の勝木俊雄さん(50)に特徴などを聞いた。【山本芳博】 <どのような経緯で新種と確認したのか> ◆県内ではヤマザクラとカスミザクラの2種が自生しています。紀南ではヤマザクラが多く、約10年前に同町で採取された標本を見て、「何となくヤマザクラに見えない」と思っていました。2016年3月に那智勝浦町を訪れ、実際に咲いているサクラを観察すると、花や葉の形態や開花時期が異なることから新種だと分かりました
<他のサクラとの見分け方は>「タイプ標本木」のクマノザクラの花=和歌山県古座川町池野山で、山本芳博撮影 ◆まず開花時期が早く3月中旬です。ヤマザクラやカスミザクラは4月に咲くので、3月中旬に紀南の山で自生しているサクラは大部分がクマノザクラです。花の根元の花序柄(かじょへい)という部分がカスミザクラより短いです。一つの芽から花が二つしか出ず少ないです。葉はヤマザクラやカスミザクラよりも小さく、葉の縁のギザギザが不ぞろいです
<どの地域に自生しているのか> ◆分布域は和歌山や三重、奈良の3県にまたがる南北90キロ、東西60キロの範囲で、熊野本宮大社(田辺市)がほぼ中心にあります。大台ケ原山や護摩壇山など標高1000メートルの高所がさえぎるように南側の800メートルまでの山中に自生しています
<古座川町は今後、少しずつ古いソメイヨシノをクマノザクラに植え替える> ◆紀南の山では、まきに使うために持ち込まれたオオシマザクラが海岸近くで野生化したり、葉が少なく花が多い観賞用のソメイヨシノが植栽されたりして広がっています。先日、串本町でオオシマザクラと交雑したような芽も見つけ、遺伝子汚染を心配しています
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