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- ID:
- 30997
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0720
- 見出し:
- 難読地・匝瑳 巨木めぐりを楽しむ まるで樹林のような存在感!
- 新聞名:
- MSN産経ニュース
- 元URL:
- http://sankei.jp.msn.com/life/news/140720/trd14072007000002-n1.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- うだるような暑さが続く日々。外に出ると強烈な日差しにあぶられ、木陰が恋しくなる。涼を求めるならば、なるべく大きな樹木の下がいい-。ささやかな夢をかなえるため、千葉県匝瑳(そうさ)市で巨木めぐりを楽しんできた。
「読めない。書けない。どこにある?」。国内有数の難読地名を生かしたキャッチコピーを掲げる匝瑳市は、巨木の数や植木の栽培面積で「日本一」を自負する街でもある。
環境省では地上1・3メートルの高さの部分の幹周りが3メートル以上の樹木のことを「巨樹・巨木」と定義。平成12年に当時の環境庁が行った調査では、合併前の旧八日市場市内で211本の巨木が確認され、全国の市町村の中で最多ということが明らかになった。
まずは匝瑳でも最大を誇る「安久山(あぐやま)の大スダジイ」(同市安久山)の木陰に入ってみることにした。
大スダジイは、民家の敷地内にある。平山喜人さん(58)方の門をくぐり、右手にある母屋を訪ねると、平山さんの母、利子さん(88)が出てきて応対してくれた。大スダジイは母屋の裏手にあり、維持管理協力金として200円を払えば見学させてもらえる。母屋は約130年前の明治19年に建てられた古民
家で、こちらも中を見せてくれた。
利子さんの案内で、いよいよ大スダジイとのご対面だ。幹周りは10メートルもあり県内最大級、全国でも10本の指に入る。樹木医の診断では樹齢800年とも1千年以上ともいわれる。高さも25メートルを超える。見上げれば枝は大きく張り出し、母屋の屋根にかかりそうなほどのスケールで、「いつの間にか
木陰に入っていた」という感覚だ。
見る前は太い幹が真っすぐにそびえ立つ姿をイメージしていたが、実物は違った。1つの根から枝分かれした太い樹木が何本も伸びている。1本の木なのに、まるで樹林を形成しているかのような圧倒的な存在感だ。
根の上が板状に伸びる「板根(ばんこん)」が人の背丈以上の高さにまで育ち、巨木の幹を支えている。「龍の顔に見えるでしょう。鼻筋が通っていて耳もある。ひげが生えているという人もいるのよ」。利子さんが板根をなでながら笑う。
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