v10.0
- ID:
- 30828
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0708
- 見出し:
- 北限の桃謎の枯死…鹿角 1割に成育障害
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20140707-OYTNT50293.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 全国の産地で最も遅く収穫されることから「北限の桃」として特産品となっている鹿角市のモモの木に、枯死など深刻な生育障害が広がっている。JAかづの北限の桃生産部会によると、約160戸の計1万1400本のうち、1割以上に枯死や再生困難な衰弱がみられるという。
生育障害は5月中頃から発生した。開花した後の葉が小さく、緑色も薄くて生育の悪い症状から、6月に入ると、次第に枝や幹が枯死した。毎年、春先に枯死する木はあるが、今年ほどの大量発生は例がないという。同JAと鹿角市、鹿角地域振興局農林部などの調査では、品種や樹齢、栽培している園地
などに関係なく発生しているのが特徴で、病虫害ではなく、原因は特定できていないという。
鹿角地域振興局農林部によると、木が活動を低下させる冬の「休眠」の前段階で低温に遭うと、衰弱の一因になることがある。鹿角市では昨年11月13日、平年より7・8度低い氷点下9・7度を観測したが、冬の間は極端な低温でもなかった。被害が見つかった地域が分散していることから、気象が原因の
凍害とも断定できないという。
市内で試験研究や普及指導を行う県かづの果樹センターでも、試験樹240本中15本に同様の被害が出ている。同センターは、被害木の土壌、日当たりや風当たり、排水などの立地条件を比較するなどして、原因の究明を目指している。
健全な木への新たな影響は今のところ見られず、同部やJAかづのは今後、枯死した木の伐採、根の掘り出しと今秋以降の植え替えを指導する方針だ。
北限の桃生産部会の佐藤一部会長(64)は、「原因はまだはっきりしないが、来年に向けた対策は必要になる。被害は深刻で、許容範囲を超えているが、数を補う高品質生産を目指して頑張っていく」と話した。今年は天候に恵まれ、収量が減る分を品質の高さで補えるとの期待の声も上がっている。
同JAによると、現在、約60ヘクタールで栽培している。他産地の出荷が途絶える8月下旬ごろから収穫が始まるメリットがあり、12年には初めて販売額が1億円を超えた。
..