v10.0
- ID:
- 30428
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0508
- 見出し:
- 「隣村のパワースポット」
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元URL:
- http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=273047
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- パワースポットとして注目されている奈良県十津川村の玉置山(標高1076メートル)に出掛けた。目当ては玉置神社のシャクナゲと樹齢3千年の神代杉、そして大峯奥駈道である。
▼神社の創建は古く、江戸時代には熊野三山の奥の院、修験道の道場として隆盛を極めた。熊野本宮大社から奥駈道を歩けば約10時間の行程だが、神社近くの駐車場まで舗装された道路が通じており、車が利用できるから便利である。
▼駐車場からは眺望が広がる。南に大塔山や果無の山々、西に遠く護摩壇山。参道をしばらく歩くと、右手の谷に大きなアケボノツツジの群落。ピンクの花がいまを盛りと咲いている。神社の周りには大杉、夫婦杉、神代杉。それぞれ幹回りは10メートル近い。木肌に手を触れながら巨樹が生き抜いてきた
歳月に思いをはせ、畏敬の念を覚える。
▼神社から山頂までは、急な坂道を登って約20分。山頂にはシャクナゲが群れをなして咲いている。花の下をくぐって奥駈道へ。この道は十数年前、熊野修験の人たちに交じって歩いたことがあるが、今度は気軽な山歩き。次々と現れるブナの大木に目を奪われ、咲き残りの山桜の花びらを浴びながらの森
林浴である。
▼体中が緑に染まりそうな新緑の中で考えた。ここは奈良県だが、田辺市とは隣村。気軽なおつきあいをすれば、互いにプラスになることも多いはず、と。観光、教育、道路の整備……。県境を越えてさらなる交流を深めたい。
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