人にプレゼントするということは、その人を喜ばせたいという気持ちがあると同時に、喜ぶ相手を見て自分も喜びを得たいという気持ちがきっかけになって生まれる行為だ。しかし、本当に相手のことを思うのであれば、時には相手をがっかりさせてでも渡すべきプレゼントとというものがある。今回、紹介するのは“
相手の期待を裏切る”ことに長けた雑貨だ。ただし、渡す際には相手のがっかりした表情と向き合える、強い心が自分の側にも必要だ。
■「これじゃない!」そんな悲痛な叫びが聞こえてくるロボット『コレジャナイロボ』
有限会社ザリガニワークスの雑貨レーベル「太郎商店」による『コレジャナイロボ』は、最初の発売から時間も経過しており(実はすでに10年経過している)、すでに知っている人も多いかもしれない。本体は木材をベースにし、丸みを帯びた部分の一切ない武骨なデザインの潔ぎのよさには胸をすくわれるくらい
だ。
かろうじて腕は回転し、何のためか背中についた二輪のローラーが回転はするものの、それ以外の可動部分はなく目や口も単に描かれているだけ、この何とも言えない残念さ具合は、大人にとっては逆に新鮮なのだが、幼い子供にとってはそうはいかないだろう。プレゼントの包みを開けて『コレジャナイロボ』
が出てきた時に、思わず「これじゃない(泣)」と子供が泣き叫んでも仕方ないだろう。下手するとショックでしばらくは口も聞けないかもしれない。
しかし、これこそがまさに『コレジャナイロボ』の制作コンセプトであり、自分の欲しいものが何でも手に入るわけではない、という社会の厳しさを子供に教えることを目的にしているのである。『コレジャナイロボ』の価格は2940円で、アシストオンのホームページ等で購入することができる。子供をガッカリさせるということ
は一時的にせよ、親は子供から嫌われることを受け入れなければならない。そういう意味では、『コレジャナイロボ』は大人にとっても親になるための試金石ともいえそうだ。 とうとうここまで技術は進んだのか!と早とちりしないでほしい(笑)。確かに『I-Wood My First
Laptop』に電気は一切必要ない。その代わりと言ってはなんだが、『I-Wood My First Laptop』ではインターネットを見ることも、メールを送ることもできないのだから。『I-Wood My First Laptop』は子供用のノートPC型黒板である。
本来画面とキーボードがある所には黒板が、トラックパッドがあるべき所はチョークを収納するスペースになっている。こうした製品は今の時代の流れを考えると、小学生以上にはもはや通用しないかもしれない。しかし、幼児にとっては『I-Wood My First
Laptop』は魅力的なアイテムだろう。幼児にとって、親の真似は何でもしてみたいものだし、それはノートPCをいじる姿も同様だ。
その点、『I-Wood My First Laptop』は木材を素材にしていることから手触りを楽しむことができるし、尖っている部分がないため、幼児に持たせても安心だ。
価格は5900円。Generate
Designのホームページから購入することができる。ハンブルク発祥のデザインレーベルDonkeyによる製品。シンプルでありながら、デザインと実用性を備えた製品を全世界に発信するドイツならではの製品と言える。子供だけではく、大人も是非使ってみたくなるノートPCだ。澤山工作所による『おさるフォン』。そ
のネーミングといい、ザックリした本体の姿といい、とても電話が掛けられるようには思えないが、この『おさるフォン』のすごいところは実際に使用することができる電話機であるということだ。しかもリダイアル機能までついている!本物の電話を分解してリメイクした作品なので、使用できるのは当たり前なのだが、こ
の外見には見事なまでに期待を裏切られる感じだ。
木でできたサル(?)の形をした受話器から延びたコードは、やはり木でできた本体につながっており、本体前面には最近ではとんと見かけなくなった押し釦がずらりと並んでいる。本体上部にはこれも昔の目覚まし時計で見掛けたベルの姿があり、電話が掛かってきたことを教えてくれるのだろう。電話が掛かっ
てきた時にはどんな音が鳴るのか、想像するだけでワクワクしてしまう。