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- ID:
- 26389
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0107
- 見出し:
- 西表島の巨樹・巨木保全協議会 森の保護活動再開
- 新聞名:
- 八重山毎日新聞
- 元URL:
- http://www.y-mainichi.co.jp/news/21602/
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 世界自然遺産の登録に向けて作業
林野庁が2000年に選定した「森の巨人たち百選」。国有林内で次世代に健全な形で残していくべき樹木を選定し、各地域協議会の自主的な活動で樹木の治療、保護柵、表示板の設置などを実施していくもので、西表島の巨樹・巨木保全協議会が数年ぶりに活動を再開した。島内には同百選に2本の樹
木が選ばれているほか、天然記念物に指定されている樹木群も多く、世界自然遺産登録に向けた作業も進められる中、同協議会の活動が期待されている。
■西表島「森の巨人たち百選」
西表島内には、仲間川のサキシマスオウノキ、ウタラ川のオヒルギの2本が森の巨人たち百選に選定されており、同協議会が木道の設置や樹勢回復措置を実施してきた。
仲間川のサキシマスオウノキは遊覧コースのメニューに組み込まれ、年間20万人以上の観光客が訪れている人気スポットの1つ。
ウタラ川のオヒルギは浦内川の支流、ウタラ川の上流にあり、観光コースにはなっていないものの、ウタラ炭鉱跡とともに観光資源としての利活用も期待されている。
■保護活動
百選に選ばれた樹木は林野庁九州森林管理局西表森林環境保全ふれあいセンター(山下義治所長)が年2回、樹木の樹高、直径、根回り、光環境、周囲の植生や塩分濃度を調査。島内国有林の適切な森林づくりを推進するための活動を実施している。
西表島の取り組みに山下所長は「特に仲間川のサキシマスオウノキは木道テラス設置後、踏圧の影響で根の形の浸食も軽減されており、ウタラ川のオヒルギも樹勢回復措置後は当時の状況が維持されているなど、西表島では先進的な取り組みが行われている」と評価する。
また、梁川伸一自然再生指導官は「仲間川のサキシマスオウノキには新たな着生植物が発生し、タカサゴシロアリが営巣しており、問題になる可能性がある。来年度には樹木医に診断してもらい、適切な対応を高じていきたい」と課題点を挙げた。
■森林を次世代に
森の巨人たち百選に代表される樹木以外にも、島内には「古見のサキシマスオウの木群落」や「船浦のニッパヤシ群落」「干立のヤエヤマヤシ群落」などを含む星立(干立)天然保護区域など、国の天然記念物に指定されている。
環境省が世界自然遺産の国内暫定リスト登録に向けた作業を進める中、同協議会では数年ぶりに活動を再開し、2012年10月にはウタラ川のオヒルギ、ウタラ炭鉱跡地をめぐる自然観察会を実施。13年度には仲間川のサキシマスオウの木を巡る観察会を予定している。
山下所長は「サキシマスオウノキは観光資源にもなっており、国有林を次世代に残していくために今後、どのような形で保護につなげていくか。西表島は生態系保護地域が8~9割を占めており、特にコアになる部分の保全に向けて、環境省や琉球大学とも連携したモニタリングができればと思っている」と抱負を
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