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- ID:
- 29414
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0113
- 見出し:
- 艮神社クスノキ再生…尾道のシンボル
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20140112-OYT8T00590.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- <樹齢500~900年の4本 枯れた枝葉伐採で>
樹勢を取り戻しつつあるクスノキ(尾道市長江の艮神社で)
〈尾道のシンボル〉として親しまれてきたが、樹勢の衰えが心配されていた艮(うしとら)神社(尾道市長江)のクスノキ群の“治療”が完了した。枝ぶりも回復しつつあり、参拝客らを楽しませている。同神社は木の維持管理に充てるため、支援を呼び掛けている。(佐藤行彦)
境内に4本あるクスノキは樹齢500~900年とされる。本殿前に伸びる最大の木は高さ40メートル、根回り9・8メートル、幹回り7・3メートルに達し、尾道市出身の大林宣彦監督の映画「時をかける少女」(1983年)に登場。境内の真上を行き来する千光寺山ロープウェイからも、木々の威容が楽しめ、
親しまれてきた。1988年には、県天然記念物に指定された。
しかし、5年ほど前から葉の茂り具合が悪くなり、強い風雨の日には直径約10センチの枯れ枝が折れて、隣家の倉庫の屋根に落ちるなど、衰えが目立ち始めた。
同神社が市教委に相談し、2011年、樹木医が地中の根を音響波などで検査。幹内部の腐りなどはなかったが、養分を木全体に行き渡らせるには、枯れた枝葉の定期的な伐採が必要と診断された。
翌年9月、同神社は県と市の補助金など約680万円をかけ、保全作業を始めた。13年3月までに、木の周りに足場を組んで枯れた枝を切ったり、表面には薬品を塗ったりするなどの作業を終えた。水分や酸素の吸収が良くなり、昨夏頃からは、葉も青さを取り戻し始めた。
伐採は定期的に行う必要があり、同神社では費用をまかなうため、1口1000円の寄付金を今月から募っている。寄付者には、伐採した枝を板状にし、神印を押したお守りが贈られる。
同神社の永井大貴・禰宜(ねぎ)(39)は「皆さんの協力で、少しずつクスノキは復活している。神社の象徴なので、これからも大切に管理したい」と話している。
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