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- ID:
- 29297
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 1224
- 見出し:
- ナリス化粧品、ネムの木の樹皮抽出物にコラーゲンの老化回復作用を確認
- 新聞名:
- 日刊コスメ通信
- 元URL:
- http://www.syogyo.jp/news/2013/12/post_007473.php
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- ナリス化粧品は、肌のシワやたるみの原因となるコラーゲン老化に着目し、長年取り組んできた研究から、「ネムの木」の樹皮抽出物にコラーゲンの老化を回復する作用があることを確認した。
今年4月に特許を登録し、新製品への応用化を進めている。今年9月に開催された日本生化学会大会で報告した研究成果によると、ハリや弾力のある肌に有効な成分も見出しており、今後も研究を続けていく意向だ。
コラーゲンは、真皮層の約70%を占め、加齢に伴い不足すると、肌の弾力やハリが失われてくる。また、産生と分解を繰り返すコラーゲンの寿命は約6カ月と言われ、その間に紫外線など外的要因などで壊れたり緩んだりすると、そのまま弾力のない状態で停滞してしまう。
これまで多くの研究成果が発表されているが、加齢とともに減少してしまうコラーゲンの産生に着目した研究に比べ、肌が本来持っているコラーゲンの修復に関する研究は少ないという。同社は、コラーゲンの産生とは異なる機構からアプローチできる化粧品原料を探して研究を進めた。
まず、ヒト線維芽細胞の老化にともなうHSP47(ヒート・ショック・プロテイン47)とコラーゲンの発現量について調べ、老化した細胞のHSP47産生量は若い細胞の6割程度、コラーゲン産出量は7割程度の発現にとどまることを確認。老化にともないコラーゲンの品質管理機構が衰えていることを明らかにした
。
HSP47とは、コラーゲンの修復に欠かせないタンパク質のことで、コラーゲンの品質管理機能の役割を担っており、HSP47の機能低下を抑えられれば、コラーゲンの修復作用も維持・向上できると考えられる。
そこで、老化細胞のコラーゲン修復を補う植物由来成分10数種類にスクリーニングをかけ、「ネムの木」にその効果が期待できることを発見した。
ネムの木(合歓木)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木で、日本をはじめアジア地域に広く分布している。暗くなると眠るように葉と葉を重ねて閉じる特徴を持つことからその名称がついたという。
試験では、「ネムの木」を部位(花・樹皮)別・抽出法(水・エタノール)別にそれぞれ揃え、老化した細胞の機能を回復させる機能を調べた。その結果、ネムの木の樹皮を水で抽出したエキスに、最も高いコラーゲン修復効果が確認された。またHSP47の発現量については、ネム樹皮抽出エキスを添加すると
、若い細胞と同等の産生量まで回復することが認められた。
さらに研究を進め、ネムの樹皮抽出物を加えた細胞を、コラーゲンゲル中で培養した。その結果、添加濃度を上げていくに従って、ゲルの直径が小さくなっていくのが確認された。このことは、より強固なコラーゲンのネットワークを構築したことを意味し、肌のハリや弾力につながってくるという。そのエキスを精製
したところ、「インドール―3―カルボン酸」が強固なコラーゲンネットワークを構築する有効成分であることを発見した。
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