v10.0
- ID:
- 28903
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 1025
- 見出し:
- 朽木の巨木53本 保全合意
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20131024-OYT8T01287.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 高島市朽木の安曇川源流域に残る樹齢200~400年のトチノキなど広葉樹の巨木群の売買について、木材業者と所有者(6人)が争っていた地裁での訴訟で24日、両者の事実上の和解が成立した。所有者らを支援する自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)が所有者とともに資金を用意し、
巨木53本を計1000万円で業者から買い取ることとし、業者は巨木の所有権の確認を求めた訴えを取り下げた。
訴訟記録などによると、業者は2007~10年、所有者から計約110本の樹木を購入し、うち60本を伐採した。しかし、この地域の巨木群は西日本でも最大級の貴重なもので、同協会や地元住民らで結成した「巨木と水源の郷をまもる会」は残った木の保全を決意、「業者からは価値を知らされていなかった
」などとして、所有権の移転を認めず、業者側が11年10月、訴えを起こした。
その後、裁判所が和解を働きかけ、今年7月に業者から巨木群を買い取ることで仮合意していた。同協会やまもる会が「びわこ水源の森・巨木トラスト基金」を創設して寄付を募った結果、約1か月半で目標額を上回る1017万円が集まり、買い取りが可能になった。
ただ、この地域には同様の巨木が400本以上あり、残る巨木群の保全措置が課題。県が所有者に保全協力費を払い、伐採につながる売却を禁じる協定などが結ばれているのは、400本を超える巨木群の約3割。まもる会の事務責任者を務める小松明美さん(64)らは、残りの巨木について「文化財や
水源を守るという観点から、県や市に保護の網をかけるよう働きかけていきたい」と語る。
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