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- ID:
- 28668
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0926
- 見出し:
- さよなら、思い出のケヤキ…樹齢800年、台風18号で裂け伐採
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20130925-OYT8T01545.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 今月16日の台風18号で幹の大半が裂けた宇都宮市の県指定天然記念物「新町のケヤキ」(高さ43メートル)の伐採作業が25日、始まった。この日はすべての枝を切断し、今後、幹も裂けた部分は伐採する。地元住民は、「ただ、ただ悲しい」と、樹齢約800年の大ケヤキに別れを告げた。
幹は地上3メートル以上の部分が裂けて倒壊し、隣接する南新町公民館を押しつぶした。所有する南新町下組自治会(塚田和孝会長)は、地元のシンボルを残そうと模索したが、倒壊の恐れがあるため伐採を決めた。作業は25日朝に始まり、約20人の住民らが、直径1メートルほどの枝が次々と切ら
れるのを複雑な表情で見つめた。作業が終わると、ほとんどが裂けた約20メートルほどの幹が残った。
元自治会長の高瀬恒二さん(81)は、「子供の頃、ケヤキの周りで祭りが開かれ、にぎやかだった。手をつないで何人で木を囲めるか競ったものだ」と思い出を振り返った。戦時中、船舶の材料にするため伐採が計画され、あまりに幹が太くて頓挫した歴史もあるといい、「みんなで手入れし、周りを掃除し、守
ってきたケヤキ。ただ、ただ、悲しい」と嘆いた。
自治会によると、今後、裂けた幹の部分も伐採し、残りの幹をどうするかは検討を続ける。また、伐採したケヤキを売却して、伐採費用や公民館の修復費にあてることも検討する。
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