v10.0
- ID:
- 28619
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0912
- 見出し:
- 竹生島の樹木再生へ 県や長浜市などタブノキ植樹
- 新聞名:
- 京都新聞
- 元URL:
- http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20130912000157
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 琵琶湖の竹生島(滋賀県長浜市)で、大量生息するカワウのふんで枯れたタブノキの生育地を再生するため、滋賀県や長浜市などは、島内で集めたタブノキの苗木を同市内の小学校などで育て、島に植樹する事業をこのほど始めた。県と市は「試行錯誤の取り組みになるが、緑豊かな島の景観を取り戻
したい」と期待を込める。
タブノキは、クスノキ科の常緑の樹木。県や市によると、かつて島の全域で茂っていたが、カワウが大規模に生息した影響で、1990年代ごろからふん害で枯れる被害が深刻化した。国指定の史跡名勝の島は、地肌が見えたり土砂崩れが発生する問題も起きた。
島のカワウは2008年秋には約5万8500羽に増えた。09年度以降、県や市の捕獲の強化で生息数は減少し、枯れ木から芽や枝を伸ばすタブノキも確認されたが、枯れたままの木も目立つという。
再生事業は、県や市などでつくる琵琶湖北部カワウ等対策事業推進協議会が、研究者の意見を基に本年度から3カ年で進める。自生する若い苗木を島内で集め、島外で育成。生育状況をみた上で数年後に植樹するという。
本年度は、長浜市のびわ北小児童と種苗業者が26日に島へ渡り、若い苗木を探して持ち帰る。同小の校内などで育て、15年度には島に植えたいという。
県鳥獣対策室と市は「タブノキの苗木の育成技術は確立されておらず、どれだけ育つかは不透明」としているが、環境を守る意識を育てようと、今回は小学生に作業を担ってもらうことにした。
島内の都久夫須麻神社の生嶋厳雄宮司(69)は「木々が生えていないと島が崩れてしまう。少しでも島の緑が増えてほしい」と話す。
..