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- ID:
- 27938
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0619
- 見出し:
- “香り嫌い”に売れている!? 「ウッド系芳香剤」に新トレンドの兆し
- 新聞名:
- Nikkei_TRENDY
- 元URL:
- http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130611/1049983/?n_cid=nbptrn_top_bunya&rt=nocnt
- 写真・動画など:
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- 記事内容
- 室内用消臭芳香剤市場は拡大を続け、市場規模は約279億円(2012年)にまで伸びている。「消臭力」シリーズを販売するエステーによると、全年代の消臭芳香剤利用率の平均は79%。最も利用率が高い40代が84%、20代が77%、60代が73%と、ほとんど差がない。世代を問わず、生活に根付いていること
がうかがえる。香りやアイテムのバラエティーもどんどん増え、ドラッグストアの消臭芳香剤コーナーはさながら百花繚乱の趣きだ。
そんななか、消臭芳香剤メーカーの二強、小林製薬とエステーが素朴な「木の香り」を打ち出した商品を相次いで投入。エステーは2013年3月22
日に北海道のトドマツから抽出した天然樹木水を配合した「消臭力 優しい森」を、小林製薬は2013年4月17日に青森県の樹齢200年以上のヒバから抽出した天然精油配合の「消臭元 木のある生活」を発売した。消臭芳香剤は種類が多く競争が厳しいなか、どちらも好調だという。
なぜ木の香り、ウッド系なのか。これまでの消臭芳香剤とどこが違うのか。
「消臭力 優しい森」 (300mL、オープン価格だが実勢価格は378円前後)。「ふんわりフローラルグリーン」「すがすがしいハーバルグリーン」「すみきったアクアティックグリーン」の3種類
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「消臭元 木のある生活」(52mL、希望小売価格は420円)。「ヒノキの香り」「ヒバの香り」の2種類
[画像のクリックで拡大表示]
使うのをやめた理由で多いのが「人工的な香りがイヤ」
小林製薬が行った調査によると、42%の人が「室内で消臭芳香剤を使っている」と答えている一方、「消臭芳香剤を使っていない」「以前は使っていたが、使うのをやめた」という人も多かった。使うのをやめた理由で多かったのが「人工的な香りがイヤ」。使用している人のなかにも同じ不満を持っている人がたくさ
んいた。そしてどんな香りなら人工的に感じないのかを聞くと、「木の香り」という答えが圧倒的に多かったという。
そこで、「人工的な香りがイヤという人のニーズに応える本物の木の香りを追求した消臭芳香剤を開発した」(小林製薬マーケティング部、芳香・消臭剤グループの大野直彦氏)という。
同社の「消臭元
木のある生活」の芳香成分の原料は、紀伊地域の樹齢70年以上のヒノキと青森県の樹齢200年以上のヒバ。木材に加工する際に出る端材やおがくずなどから抽出した木の天然精油(フィトンチッドオイル)が芳香成分だが、100kgのおがくずから1kgしかとれない希少なオイルとのこと。ちなみに「フィトンチッド」
は樹木などが発散する化学物質で、一般にリフレッシュ作用や消臭作用、抗菌効果などがあるとされている。
しかし、天然の香料は単独では一般の消臭芳香剤に比べて香りの広がりが弱いのが難点。そこで溶媒と組みあわせることでほかのシリーズの製品と同程度に香りが広がるように工夫した。
試しに「ヒノキの香り」の香りを嗅いでみると、まさに真新しいヒノキ風呂のような香り。一瞬、高級旅館にいるような錯覚を感じたほどだ。一方「ヒバの香り」は新築の家のような香り。どちらも実にリアルな清々しい木の香りで驚いた。
(左)「部屋用芳香剤で不満に思っていること」に関し、芳香剤利用者・非利用者を問わず多くの人が「香りが人工的」という不満を抱いている
(右)香りのイメージ調査結果。「自然な感じ」「温もりがある感じ」「落ち着く・リラックスする感じ」をイメージする香りとして多くの人が「木の香り」と答えている(いずれも小林製薬調べ、2011年12月ウェブ調査、N=2000)
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