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- ID:
- 27792
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0603
- 見出し:
- 江戸期の砂糖菓子再び 姫路・杵屋が計画
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20130602-OYT8T01031.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 姫路市の古刹(こさつ)・書写山円教寺で見つかった幕末のものとされる木製の菓子型を活用し、同市二階町の老舗菓子店「杵屋(きねや)」が江戸時代の砂糖菓子の復活を計画している。同店は大阪市内の企業に、桜や七福神、キツネなど14種類の砂糖菓子を作ることができる菓子型の複製品の製作を
依頼。同寺の参拝客の土産物として菓子の大量生産に踏み切ることも検討している。(長野祐気)
同寺の大樹玄承執事長によると、約10年前、市内で開かれた展示会の準備のために倉庫を整理していて菓子型を見つけた。近くに保管されていた印刷用の木版から、菓子型は江戸時代末期のものと推測されている。
菓子型は長さ40センチ、幅15センチ、厚さ5センチ。羽子板の形をした1枚の板に14種類の型が掘られている。
幕末は、書写山の険しい山道を上り下りして供え物やお茶請け用の菓子を姫路の城下まで買いに行くのが難しい時代だった。そのため、大樹執事長は「寺の僧侶が菓子型を使い、自分たちで干菓子を作っていたのでは」という。
今年1月、同寺が大勢の人に菓子型の存在を知ってもらおうと同店に相談。当初は見つかった菓子型をそのまま使って菓子を作ることも考えた。しかし、木製では耐久性に限界があり断念。大阪市内の企業にシリコンを素材にした複製品の製作を依頼し、今夏には完成する見込み。秋には、同寺が参拝客
に提供している精進料理に菓子を添えたり、書写山の麓にある同店の茶店で販売したりしたいとしている。
菓子は砂糖にもち粉などを混ぜて水で湿らせ、型に押し固めたものを取り出して作る。内藤浩一社長は「江戸時代は貴重品だった砂糖で客をもてなそうとする思いや、当時の僧侶の日常生活を想像すると、甘い物があふれている現代との感覚の違いが分かる。菓子の味を楽しんでもらえる機会を作りたい」
と意気込んでいる。
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