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- ID:
- 27670
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0516
- 見出し:
- 紀ノ川河川敷 クスノキの巨木 内部の空洞、明らかに
- 新聞名:
- 産経新聞
- 元URL:
- http://sankei.jp.msn.com/region/news/130516/wky13051602060003-n1.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 横倒し洗浄、紀伊風土記の丘で展示へ
昨年8月に紀ノ川から和歌山市六十谷の河川敷に引き上げられたクスノキの巨木について、県立紀伊風土記の丘(同市)での保存・展示に向けた“引っ越し”作業が進められている。15日には、巨木を横倒しにして洗浄。内部の空洞の様子が初めて明らかになった。
巨木は平成23年9月の台風12号による豪雨災害時に紀ノ川で見つかり、昨夏、クレーンで引き上げられた。高さ約7メートル、直径約4メートル、重さ約40トン。西暦350年(古墳時代)~700年(飛鳥時代)ごろにかけて生育していたとみられ、樹齢は約350年。県教委は、自然が育んだ歴史的なモニュ
メントとして巨木を県立紀伊風土記の丘で保存・展示することを決めた。
この日は、発見場所に近い河川敷で巨木の洗浄を実施。大型クレーンでゆっくりと横倒しにすると、直径の半分程もある大きな空洞が姿を見せた。作業員らは高圧洗浄機で内部を丁寧に洗い、移送のため大きさの計測などを行った。
空洞について県教委文化遺産課は「クスノキは密集して育つことが多く、近くの何本かが合体することもある。この個体も、長い年月をかけて複数のクスノキが合体したときにできたのでは」と推定している。
作業を行った木徳(きいとく)林業(有田市)の担当者は「樹皮の多くが残っているので上流から流されてきたのではなく、この近くで成長したと考えられる」と指摘。「現代のクスノキとも違う、お香のようなにおいがするので驚いた。飛鳥時代の香りかも」と感慨深げに話していた。
今後、紀伊風土記の丘へ運び込むため、トラックに積載可能な大きさに切断する作業や防腐処理などを行い、6月15日までに移送する。紀伊風土記の丘で切断した部位を元通りに組み立て、来年2月ごろに一般公開する予定。
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