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- ID:
- 27644
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0515
- 見出し:
- 隠れた大木に“光を” 箱根山麓のヤマザクラ幹の太さは1㍍超
- 新聞名:
- 東海新報
- 元URL:
- http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws8664
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 陸前高田市小友町の箱根山麓に、幹の太さが直径1㍍を超えるヤマザクラの大木がある。太陽の光を求めるように大きな幹をくねらせて南側に枝葉を伸ばし、今年も花を咲かせた。東日本大震災により市内では多くの名木が流され、立ち枯れに見舞われた中「これまで埋もれていた一つ」として、保存策を
求める声も出ている。
このヤマザクラは同町西の坊地内で、高田松原を守る会が耕している松苗畑の近くにある。アップルロードから気仙大工左官伝承館などに続く坂道からは、枝葉が見える。 松苗畑から山林に入ると、氏神様が祭られている社の背後から伸びる太い幹に驚かされる。樹齢は150年程度はあるとみられる。
広田湾方向を求め、幹の一部は社よりも高い位置で地面と平行状態になっているほか、周囲に立つスギが支えている光景も。枝葉では今年も花を咲かせ、舞い散る花弁は幹や植えたばかりのかわいらしい松苗に降り注いでいる。 松苗の定植作業を行っていた守る会メンバーが今月、幹の太さに気づき「こ
んなヤマザクラの大木は珍しい」と驚いた。広田町黒崎海岸の松ぼっくりから実生したクロマツの苗を育ててきた京都府緑化センターの関係者も「保存すべき」と価値を評価する。 幹の太さはたくましく映る半面、根元部分では腐食がみられる。周囲に立つ木々と幹がぶつかり合って傷むことも考えられるといい
、守る会メンバーらからは行政も加わった保存策を求める声が挙がる。 東日本大震災では7万本とされる高田松原のマツをはじめ、住民の心のよりどころとなっていた市街地の名木が多数流失。保存事業が進められている「奇跡の一本松」だけでなく、竹駒町の「一本桜」などは津波に耐えて立ち姿が残っ
たが、塩害で枯死状態となり、花を咲かせることはない。 一方、山間部では新たな土地利用が進む中、これまで注目されなかった大木が、日の目を見ることも。守る会の小山芳弘副会長は「これまで埋もれていた名木の一つ。成長してきた年数は、お金では買えないもの。陸前高田の宝として将来に残すこと
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