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- ID:
- 27332
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0404
- 見出し:
- 病に負けず枝垂れ桜満開 かほく、樹齢118年
- 新聞名:
- 富山新聞社
- 元URL:
- http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20130404102.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- かほく市上山田(かみやまだ)、無職喜多久雄さん(92)方で3日までに、市文化財 で天然記念物でもある「枝垂(しだ)れ桜」が満開となり、喜多さんや住民を喜ばせてい る。明治期に植えられた桜は樹齢118年の老木で、枯死に至る「ナラタケ病」に感染し
ながらも、懸命の延命処置で今年も花を咲かせた。「今では自分と長寿を競っているよう だ」。喜多さんは祖父が残した桜を慈しみ、花見を楽しんでいる。
枝垂れ桜は高さ約13メートル、幹回り約2・1メートル。1895(明治28)年、 喜多さんの祖父善兵衛さんが兼六園から種を持ち帰り、自宅の庭に植えた。順調に育ち、 集落の名物として少しずつ知られるようになり、1971年に旧宇ノ気町の天然記念物に
指定されて以来、多くの花見客が毎年訪れている。
市教委によると、2004年ごろから樹勢が急に衰え始めたため、専門家に相談。追肥 を重ねた上で、08年春に再調査したところ、一部の根がナラタケ病にかかっていること が分かった。県林業試験場によると、ナラタケ菌は感染力が強く、木に一度入り込むと除
去は難しく、強風で倒れるなどし、枯れる例が多いという。
喜多さんは木の枯死を覚悟したが、菌に感染した枝と根をすべて切除し、土を入れ替え 、消毒を重ねたところ、少しずつ樹勢が回復した。毎年6月には専門家の助言を受け、土 中の通気性を良くすることで生育を促そうと、木の周囲に竹筒を埋め込むなどの延命処置 を続けている。
小学生の時には現在の半分の幹回りだったと振り返った喜多さんは「木の生命力のすご さに驚かされた。毎年、これが最後と覚悟し、花見を楽しんでいる」と話し、樹上から滝 のように咲き誇る花に見入った。
今年の開花は例年より10日ほど早く、今月10日ごろまで花が楽しめる見通し。開花 している間は午後6~10時にライトアップする。
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