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- ID:
- 34418
- 年度:
- 2015
- 月日:
- 1207
- 見出し:
- ひたすら寡黙に削り出された花瓶が美しい
- 新聞名:
- T-SITEニュース
- 元URL:
- http://top.tsite.jp/news/lifetrend/o/26720531/
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- ひたすら寡黙に削り出された花瓶が美しい
今年の国際見本市インテリア ライフスタイル(IFFT)で立ち並ぶブースの中を歩いていると、ひときわ目を引く"花瓶"を見つけました。
「えっ、これどうなってるの?」
「不思議かい?ここまでたどり着くのにずいぶんたくさん失敗したよ。」
と語ってくれたのはドイツ人の職人、Christoph Finkelさん。
クリストフさんは、切り出されたあとも呼吸を続ける木材の"変化"を作品にします。
削りだした木材を長時間自然に乾燥させることで、木のヒダは収縮、変形。その様子に、なんだか圧倒されてしまいます。
まるで木材の"呼吸"そのものを目の当たりにしているかのよう。
制作の発想はどんなところから生まれてくるのかと質問すると、
「ドイツには美しく歳を取った木材がたくさんあって、その木々たち自身のキャラクターや、成長の歴史からとても多くのインスピレーションを受けるんだ。」
と語ってくれました。
クリストフさんのウェブサイトには、彼の職人魂がビシバシ伝わってくるドキュメンタリー映像もあります。
Https://www.youtube.com/watch?v=cM2etbjafkM
自ら森に入り大きな木を切り出す姿は、まさにワイルド。このドキュメンタリーや彼との会話を通して感じたのは、制作への硬派な情熱。僕は彼の事をアーティストではなく、職人と呼びたいです。
長い時間をかけて生み出す作品たちは、彼のワイルドさとは対照的に、とても繊細で滑らか。
寡黙な職人の技と木材への愛は、今まで誰も見たことのない花瓶を生み出しました。
Christoph Finkel
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