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- ID:
- 32837
- 年度:
- 2015
- 月日:
- 0404
- 見出し:
- 真鍋の桜 組織培養成功
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20150403-OYTNT50326.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 土浦市立真鍋小学校の校庭に植えられている県指定天然記念物「真鍋のサクラ」(ソメイヨシノ)から、「組織培養法」と呼ばれるバイオテクノロジーの手法を使って苗木を作ることに成功したと、大手住宅メーカーの住友林業(東京都千代田区)が3日、発表した。ソメイヨシノの苗木を一般的に行われている接
ぎ木ではなく、組織培養法で増やしたのは世界で初めてという。
このソメイヨシノは1907年(明治40年)、当時の卒業生が植樹したもので、現在は5本ある。高齢化で樹勢が衰えたため、卒業生らが中心となって設立した「真鍋の桜保存会」や同市が貴重な桜を後世に受け継いでいこうと、2012年、様々な樹木の組織培養技術を持つ同社に技術協力を要請していた。
同社は桜の木から冬芽を採取。細胞分裂が盛んな部分だけを顕微鏡で摘出して試験管に移し、その中に真鍋のサクラ用に開発した培養液を入れて増やすなどして育苗した。
同保存会では、東日本大震災の津波で被害を受け、桜を植えるプロジェクトを進めている岩手県陸前高田市の小学校に、増やした苗木を届けることにしている。
この日、真鍋小学校で行われた記者会見で、同社筑波研究所の中村健太郎主席研究員は、「組織培養法を使って苗木を育てるのは難しく、3年かかって成功した。無菌の状態で育てているので病気に強く、組織培養法で若返り現象が期待できる」と述べた。
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