v10.0
- ID:
- 31925
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1204
- 見出し:
- 用途いろいろ椿油、髪だけじゃない
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/otona/life/ecolife/20141204-OYT8T50395.html?from=ytop_ymag
- 写真・動画など:
- 【イラスト】
- 記事内容
- 近所のお祭りで、箸の手作りコーナーがありました。間伐材の杉が大まかな箸の大きさに割ってあり、それを型に合わせて削るのです。自分で使いやすい太さ、長さにしたあと、仕上げには椿油を染み込ませて完成です。
杉の木の箸は手触りが柔らかだったので、汁物が染み込んだり食べ物の色が移ったりするかもしれないと思っていたら、なるほど、椿油を染み込ませるのね!と、納得しました。指導してくれる方が出してくれた椿油のビンを見ると、うちにあるのと同じメーカーでした。
椿油と言うと、多くの人は髪用だけだと思っているのではないでしょうか?私もそう思っていたのですが、椿油は昔から食用としても使われていたのだそうです。精進料理の揚げ油として使ったり、炒いため物やドレッシングにも使われています。なんとなく髪とスキンケア用だけだと思い込んでいたのですが、これは
いろいろ使えますね!
うちにある椿油ももっと活用してあげようと、家に戻ってから、古くなった木製食器の手入れをすることにしました。
曇ってしまった天然木のお椀
うちには20年ほど前に買った天然木のお椀わんがあるのですが、内側だけ朱色の漆が塗ってあり、外側は木目のままの物です。内側の漆はまだ大丈夫なのに、外側の木の肌が白っぽくなり、手触りもカサカサしています。買った当初はもっとツヤツヤしていたような気がしますが、今はまったく艶がありませ
ん。
柔らかい布に椿油を染み込ませ、それでお椀の外側を拭くと、べたつきもせず、木の肌が油をどんどん吸い込んでいくようです。椿油を足して、何回も磨くと、しだいに艶が出てきて、ツヤツヤになりました。色も少し濃く見えます。そういえば買った当初はこんな色だったような気がします。長年使っているうちに油
っ気が抜けて白くなっていたお椀が、艶のある深い茶色になりました!
天然木のお椀は、全体に漆が塗ってある物や、内側だけ朱や黒の漆塗りで外側は木目のままとか、全体が木目調で一見何も塗っていないような物までいろいろなタイプがあります。木目のままのものは、何も塗装していないのかと思ったら、漆を塗って何度もすり込むというお椀もあるそうです。それから、ウレタ
ン塗装が施してある器もあります。
私の家のお椀はもう20年も前に買ったものなので、どういう塗装なのかわからなくなっていました。何らかの塗装がしてあったのかもしれませんが、どう見ても油分が抜けてカサカサになっていたので、かわいそうになって椿油をすり込んでみたのです。もし、みなさんのお宅でもそういう白っぽくカサカサになったお椀
があれば、ちょっと試してみてはいかがでしょうか? 糸尻いとじりの底などの目立たないところに少し試し塗りをしてみて、もともとの塗装が剥げたりしなければおそらく大丈夫。
天然木の器は、熱い物を入れても手に熱が伝わりにくく、また冷めにくく、とても使い勝手がいい物です。しかし、漆の物はうっかりすると曇ることがあるし、木目のものは長年使ううちにカサカサになったりすることがあります。でも、こうやって手入れをすればもとに戻るんですねえ。
ニューヨーク・ロックフェラーセンターの巨大クリスマスツリーは、その後、建築ボランティア団体に寄贈され、貧困層の人々や災害で家を失った人々の家屋を建てる資材などに使用される見込みです。自然に配慮して、自然と親しむ。新しいクリスマスの楽しみ方が始まっています。
..