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- ID:
- 31864
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1127
- 見出し:
- JVCケンウッドの技術チームの全てを詰め込んだ秀逸イヤホン
- 新聞名:
- 産経
- 元URL:
- http://aplista.iza.ne.jp/f-iphone/194543
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 音楽はもちろん、ゲームや映画など「音」にこだわりたいコンテンツはたくさん。この「このイヤホンを買え」では、大阪・日本橋と東京・秋葉原に店舗を構える専門店「e☆イヤホン」のプロフェッショナルたちが今、注目している製品をご紹介します。
テレビでも話題のカリスマ店員、岡田卓也さんが今回おすすめする優れものは?
岡田 卓也(おかだ・たくや)
イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」CS推進部課長。帰省時にイヤホンが断線し、たまたま購入したSHURE E2cでイヤホンにハマる。これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンの数は数千機種に及ぶ。日本人で初めて(おそらく)beats本社やUltimateEarsのラボ見学をしたことが自慢。
今回は新製品を先行レビューしたいと思います。JVCケンウッドから12月上旬に発売となる新製品「HA-FX1100」です。
技術チーム主導の製品!
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大手メーカーの製品企画では、通常では企画会議などを経て、様々な部署のメンバーで議論して開発する製品を決定します。
今回ご紹介するこの「HA-FX1100」は、現在のラインナップのハイエンドモデル「HA-FX850」が発売以降好評で品切れ状態である現状に満足せず、技術メンバーが「WOODモデルで、もっと良いものができないか?」と、密かに画策して試作機を開発したのがきっかけで生まれた製品。
商品化を決定する部門の人がこの試作機の噂を聞き、実際に試聴してシリーズ最高峰のFX850とは違う、WOODシリーズのスペシャルバージョンの商品化が決定しました。ベースとなったHA-
FX850の基本構造が優れており、開発メンバーも驚くスピードでエクスクルーシブなモデルを誕生させるにいたったそうです。
JVCケンウッドでも、技術チームが主導となる製品化は初めてで、技術チームが今やってみたかったことを全て詰め込んだモデルとなったそうです。
こうしてHA-FX850/750/650とはまた違う、エクスクルーシブなWOODの音を提案する製品を作り上げることができたとのことです。
L字プラグを採用
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HA-FX1100ではケーブルやプラグに変更が加えられています。
ケーブルやプラグの変更の理由は、販売店やユーザーの声を多くいただき、それを反映し採用したとのこと。ここ最近のハイエンドのイヤホンでは、殆どの製品がL字プラグを採用しています。
L字プラグの方が耐久性が高いとされているのもあり、HA-FX850のプラグを使用せず、新規でプラグを開発したそうです。
ケーブルの素材には99.9999%の純度を誇る6N相当の*OFCを採用しています。ケーブルの線材をただ変更するだけではなく、ケーブルの線材に合わせてはんだを何通りもテストしたそうです。
また、プラグとコネクタに使用するはんだを揃え、聴感上最も高音質になる組み合わせを手探りで探していったそうです。
*OFC(無酸素銅) 無酸素銅(むさんそどう、OFC:Oxygen-Free Copper)とは、一般的に酸化物を含まない99.95%以上の高純度銅のことを指す。広くケーブルの導体として使われている純度99.9%(3N)程度のタフピッチ銅(TPC:Tough-Pitch
Copper)と比較すると、より抵抗や歪みが少なく工業的に優れている。
HA-FX1100のMMCXコネクタ
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イヤホン本体の(ケーブル着脱を可能とする)MMCXのコネクタにトラブルが無い様に、オスメスの部品の選定をしているそうです。
MMCXコネクタを噛み合わせた時の遊びが少ない印象で、本体とケーブルをしっかりと固定してくれます。
ユニットの振動ロスを広帯域で低減!
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比重の大きいブラス(真鍮)リングと木を用いた新開発の「ウッドダンパー」でユニットを押さえることで、ユニットの振動ロスを広帯域で低減し、解像度の高いクリアなサウンド再生を実現しています。
また、HA-FX850同様にユニットの前面もブラスリングで押さえる「アコースティックデュアルハイブリッドダンパー」構造の搭載により、更に制振性を向上させ、解像度を高めています!
さらに、JVC独自の技術で、本シリーズの目玉でもあるウッドドーム振動板を搭載しています。「ウッドドーム振動板」は、独自の加工技術により、木を薄く削り出し、ドーム型に加工して作られる木の振動板です。
木で作られているため、そのまま薄く削って振動板を作ると振動でヒビが入ったり、割れてしまうことがあるそうです。特殊な加工を施すことで、耐久性が高く、正確に動作する振動板を作ることができます。
クリアなサウンドを実現!
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音質劣化の原因となるイヤーピース内の反射音を、イヤーピースの内側に設けたディンプルで拡散させ、音の“にごり”を抑制し、クリアなサウンドを実現する「スパイラルドットイヤーピース」を採用しています。
ディンプルは、ゴルフボールの表面の凹凸のことで、ディンプルの無いゴルフボールは飛距離が出ないと言われています。
スパイラルドットイヤーピースにもお客様の声が反映されています。耳に合うSとMサイズの中間の調度良いサイズが欲しいというご意見をいただき、それをすぐに形にしてM/Sサイズ、M/Lサイズを今回のHA-FX1100に付属させています。
「HA-FX1100」聴いてみた
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HA-FX850と外観上の違いは大きく見られず、ケーブルが変わっただけのモデルだろう…と思い試聴しました。
実際に聴いてみると、外観上の違いがほとんど見られないのが不思議な程に音が違うので驚きます。HA-FX850ではウッドの響きと言うよりは、レスポンスが良く軽快な音の印象でした。
しかしHA-FX1100は、まさにウッド独特の響きや重厚感を感じ取れる音を鳴らしてくれます。HA-FX850でもう少し音の余韻が欲しいと思った僕にはぴったりのイヤホンです。 また、全域にわたって解像度が高められており、より細かな音まで拾え、空間を感じとれる様になっています。
解像度が高く空間をしっかりと出せるので、クラシックとの相性がとても良いです。また、ウッドベースなどの弦楽器の表現がとても上手です。JAZZなどの音源も気持ちよく聴かせてくれそうです。
と言うことで、JVCケンウッドのウッドシリーズ最高峰のイヤホンが登場します!発売は12月上旬予定です!ぜひご試聴ください!
製品情報
メーカー:JVCケンウッド
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