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- ID:
- 26850
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0214
- 見出し:
- 北茨城 銀世界を歩く
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20130213-OYT8T01613.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 立春を過ぎ、市街地に少しずつ春の気配が近づく中、北茨城市関本町小川地区の山間部は、まだ雪に覆われたままだ。健康づくりのための山歩きグループ「里山ウォーク」を主宰する会沢龍次さん(65)(北茨城市華川町臼場)に同行し、その銀世界を案内してもらった。(富田智晃)
「これはウサギの足跡。雪で動物の動きがわかって面白いでしょう」。花園花貫県立自然公園内にある亀谷地湿原(標高740~760メートル)。雪上のあちこちに、リズミカルに続く小さな足跡を指さし、会沢さんはそう言った。
湿原は常磐道北茨城インターチェンジから車で約40分。11日の積雪は40センチもあった。公園内には標高882メートルの栄蔵室(えいぞうむろ)があるが、山登りの素人が冬季に頂上まで行くのは難しく、スノーシューを履き、車道から湿原を通って標高の低い登山口まで往復約1時間かけて一面の銀世
界を歩いた。
ちなみに、「県」最高峰は福島県境にある八溝山(1022メートル)だが、栄蔵室は県境にないため「県内」最高峰をうたっている。
会沢さんは15年前、母親が高齢になり、歩けなくなったのを見て「誰にでもいずれそんな時期が来る」と健康づくりの大切さを実感した。大学で山岳部に所属し、「それから一度も山を離れたことがない」というほどの山好き。「健康な高齢者になるには山歩きが一番」と考え、趣味を生かし、中高年の健康づくり
に一役買おうと、仲間を集め「里山ウォーク」を始めた。
参加者は50~80歳代の男女約25人。ほぼ月1回、グループで山歩きを続けており、自身は本番前に下見にも行っている。「参加者は、何も運動をしていない人たちより5歳ぐらい若いと思いますよ」と話す。
この日は、さらに湿原から車で20分程度の山林にも入った。福島県境のすぐそばにある「小川ブナ植物群落保護林」(和尚山国有林)で、ブナ林が広がり、ここも一面の銀世界だ。イノシシの足跡もあった。
雪道を歩き、この原生林で一番大きなブナがあるという場所にたどり着いた。幹回りは大人3人が両手を広げて手をつないでようやく届くほどだ。
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