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- ID:
- 31643
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1029
- 見出し:
- 自生カシの木から酵母 地ビール世界金賞
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20141028-OYTNT50125.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- ビール製造会社「二軒茶屋餅角屋本店」(伊勢市)と三重大学大学院(津市)が、伊勢市内で自生するカシの木から取り出した酵母を使い、珍しい地ビール「ヒメホワイト」を共同開発した。横浜市で今年9月開催されたビールの世界大会で金賞を受賞し、すでに初回生産分(卸売り)は完売。同社では「多く
の県民にも味わってほしい」と、年内の一般への販売を目指している。(梶浦健太郎)
開発した地ビールは、伊勢神宮別宮の「倭姫宮やまとひめのみや」近くに野生するカシの木の樹液から取り出した酵母「角屋1号」で麦芽を発酵させ、地元・伊勢産のユズの皮やコリアンダー、ホップで香り付けしている。さわやかな香りがあり、強い苦みが特徴。角屋1号のDNAの一部が、ペルーの伝統的
な発酵飲料・チチャの酵母と一致し、オーストリアのワイン酵母とも近いことが判明している。
地域に根ざしたビールを作ろうと、同社の鈴木成宗なりひろ社長(46)が2012年4月に入学した同大学院で、樹液から酵母を取り出したり、DNAを調べたりして製品化につなげた。酵母を倭姫宮近くのカシから採取し、醸造するとベルギーのホワイトビールのように白濁するため、「ヒメホワイト」と名付けた。
同社では今年5月に仕込みを始め、6月末にタル詰め(1タル=10リットル)。関東地方のクラフトビール専門店などで販売し、製造した84タルを完売した。16か国327銘柄が出品された9月の国際大会「インターナショナル・ビアカップ」では、ボトル缶・ハーブおよびスパイスビール部門で金賞を受賞した。
同社では、一般向けの小瓶(330ミリ・リットル)を早ければ年内にも販売する予定だ。
鈴木社長は「大学院に入学し、研究施設を利用して作ったビール。香りが特徴でコクもある。ぜひ多くの人に飲んでもらいたい」とPR。指導教員の苅田修一教授(応用微生物学)は「世界大会の金賞受賞が、地域の特産になるきっかけとなり、三重県が元気になってくれれば」と語った。
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