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- ID:
- 31634
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1026
- 見出し:
- 抜き取り失敗!?弥生の大柱
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20141025-OYTNT50390.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 田原本町の田原本青垣生涯学習センターで25日、秋季企画展「弥生遺産2~唐古・鍵遺跡の木製品~」が始まった。同町にある同遺跡出土の様々な木製品を通して、弥生時代の木工技術の高さと多彩な造形美を紹介している。12月14日まで。
同遺跡は、何重もの環濠かんごうで囲まれた弥生時代の大規模な集落跡(国史跡)。大型建物跡や石器、青銅器、木器などが多数出土し、物資流通の中心地だったとみられる。
大柱、スキ、高杯つき、弓、盾や農具、食膳具、狩猟具など、1977~2004年の調査で出土した木製品100点(うち初公開は73点)を展示。製作途中の未完成品もあり、木工品の工房があったことがわかる。
大柱は長さ2・5メートル、直径83・2センチのケヤキ材で、03年に唐古池西側で見つかった弥生中期中頃(紀元前2世紀)の大型建物跡の北西隅柱。同時代最大級の柱で、再利用のために抜き取ろうとしたが大きくて失敗し、放置されたらしい。今春、保存処理が終わり、全容がわかる形で初公開した。
運ぶために蔓つるを通した穴もはっきりと見て取れる。
古代建築に詳しい黒田龍二・神戸大教授が、この大型建物を間口6メートル、奥行き13・7メートルの高床式建物に復元し、大柱の横で展示している。黒田教授は8日午後2時から同センターで、復元について講演する(聴講無料、申し込み不要)。
木村麻衣子学芸員は「古代は生活の隅々まで木が浸透していた。多彩な木の遺物から古代の人々の豊富な知恵と工夫を知り、当時の生活に思いをはせてほしい」と話している。
月曜休館(11月3、24日は開館し、翌日休館)。観覧料は一般200円、大学・高校生100円。問い合わせは同センター内の唐古・鍵考古学ミュージアム
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