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- ID:
- 26835
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0213
- 見出し:
- 尾鷲ヒノキ身長計を全国へ発信
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20130213/CK2013021302000020.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- かつて全国の銭湯の脱衣所にあった身長計を復活させようと、尾鷲市向井の温浴施設「夢古道の湯」が、尾鷲ヒノキの間伐材で作った身長計を全国の温浴施設や銭湯に設置してもらう企画「銭湯家族プロジェクト」を始めた。夢古道の湯の坂本康之店長(54)は「地元の間伐材を有効利用し、子どもたちの
声があふれたかつての銭湯の光景を取り戻したい」と意気込む。
身長計は「記年樹」の名称で、大紀町錦の木工工房「K’s factory」が二年前に製造販売を始めた。樹齢四十~六十年の尾鷲ヒノキの間伐材を利用している。高さ百八十センチ、幅三十二センチで、五センチごとに目盛りが刻んである。木の内部に鉄板が埋め込んであり、移動する木板を頭に当てて測
る。
坂本店長や前店長の伊東将志さん(39)らが昨秋から、地元の尾鷲ヒノキ間伐材の利用促進と、家族や地域のつながりを実感してもらうような企画をと、知恵を絞った。「K’s factory」の協力で、身長計の設置を全国の温浴施設や銭湯に呼び掛けることにした。身長計は一台八千四百円。
夢古道の湯で就業体験をしている大学生三人が、身長計を全国百カ所に広めようと、ネット上での宣伝やチラシ作りなどに取り組んでいる。三人はまず尾鷲市内に企画を浸透させようと十二日、同市坂場町の銭湯「五月(さつき)湯」と同市港町の銭湯「新生湯」を訪れ、身長計を二台ずつ贈った。
五月湯店主の中平隆夫さん(50)は「心温まる企画。最近は子どもがほとんど来ないので、再び多くの子どもが身長計に群がってにぎわってほしい」と歓迎する。
就業体験中の愛知淑徳大二年の佐宗希恵(さそうきえ)さん(20)は「今日初めて身長計を設置して、自分たちが銭湯を変えられるかもしれないという実感がわいてきた。木のぬくもりを感じる身長計を全国に広めていきたい」と話した。
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