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- ID:
- 23469
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0213
- 見出し:
- 水俣市の「愛林館」スタッフ・村田佐代子さん
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20120212ddlk43040241000c.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 「森にあこがれ自然守る」--村田佐代子さん(29)
水俣市東部の山あいにある市の交流施設、久木野ふるさとセンター「愛林館」は、年間を通じて森と市民をつなぐさまざまなイベントを手がけている。スタッフの1人、村田佐代子さん(29)は自然の魅力にひかれ、3年余り前からここで働き始めた。今年からは棚田での米づくりにも挑戦したいという村田さんに
森や自然への思いを聞いた。【西貴晴】
--森づくりに関わるようになったきっかけは
◆中学生のころから地球温暖化のニュースなどを聞いて、環境問題に関心がありました。高校2年の夏に愛林館のイベントの一つ、森の下草刈りを手伝う「働くアウトドア」に参加したのですが、林業の実情を聞いてショックを受けました。
--何がショックだったのですか?
◆山村は過疎化が進み、輸入材に押されて森が手入れされないまま荒れている。私はそれまで看護師を目指していたのですが、森の現場を見たいと思い、静岡にある林業の学校に進みました。
--女性で林業は大変ではなかったですか
◆林業学科の同級生8人のうち、女性は私だけでした。「女扱いしないでよ」と言って頑張りましたが、林業後継者育成のための学校なので、チェーンソー実習など授業は苦労しました。卒業後、県内の森林組合に就職しようとしましたが、募集は男性ばかり。なんとか人吉の木材会社を見つけて2年半、その
後は人吉での経験があったせいか天草の森林組合で1年半働くことができました。そして24歳から1年余り、タイ北部で農場ボランティアも経験しました。
--タイですか
◆はい。20人ぐらいのスタッフの中で日本人は私を入れて2人だけ。でも、カエルを捕りにいったりギターを弾いたり自然と密着した自由な生活で、不便だけど楽しい毎日でした。帰国後の08年から最初はアルバイト、その後は県の緊急雇用事業を通じて愛林館で働き始めました。私自身が体験した「働くアウ
トドア」や、棚田をたいまつで彩る「棚田のあかり」などのイベントのほか、米づくりや大豆トラスト制度にも携わっています。
--森と関わる生活が長くなりましたね
◆自然の中で暮らすというのは昔から日本人がやってきたことです。さらに森の近くに住んでいる人が森を守ってきた。私にとって今の仕事は一番やりたかったことです。今年からは近くの棚田の米づくりにも挑戦したい。自分で食べる物を自分で作るって格好いいと思います。
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