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- ID:
- 26360
- 年:
- 2012
- 月日:
- 1228
- 見出し:
- 西山の樹木、若返り着々 長岡京市の里山再生実験
- 新聞名:
- 京都新聞
- 元URL:
- http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20121227000035
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 京都府長岡京市の西山森林整備推進協議会と森林総合研究所関西支所(京都市伏見区)が同市長法寺の西山で進めている里山再生実験で、若木が順調な成長を見せている。大木を伐採した後から落葉樹や常緑樹のひこばえが順調に生え、高さ50センチを超す木が1年間で倍近く増えた。関係者は
「里山が着実に若返りつつある」と手応えを感じている。
高度成長期以降の人びとの生活習慣の変化に伴い、西山では燃料用のまきを得るために木を伐採して下草などを手入れする習慣が廃れた。この結果、ナラ枯れに弱い大木が密集し、土壌を保つ下草も育ちにくくなった。森の新陳代謝の機能が弱まり、山の荒廃が進んだ。
このため、市や森林ボランティア団体などでつくる西山森林整備推進協議会と森林総研は、「皆伐(かいばつ)」という手法で山林約30アールの大木をすべて伐採し、木の若返りを図る実験をしている。
今秋、昨年の春先に伐採した7アールで若木の成長を調査したところ、高さ50センチに達したひこばえが、昨年の2倍近くの約110本に増えていた。樹種は昨年から見られるソヨゴやネジキ、リョウブに加えて、アラカシやヤブツバキの比率が高まった。
昨年秋の時点ではあまり育っていなかったドングリからの実生もクヌギやクリ、ヒノキなど8本を確認した。周囲に防護ネットを張り巡らせた効果で、シカの食害も皆無だった。
樹木の数を補うため、今月上旬には神足小の児童が、校内でドングリから育てたクヌギやコナラを現地に植樹した。
実験に携わる森林総研関西支所の奥敬一主任研究員は「樹木が順調に育っており、落葉樹中心の森林に育っていくことが期待できる」と話している。
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