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- ID:
- 25997
- 年:
- 2012
- 月日:
- 1126
- 見出し:
- 「奇跡の一本松」再生へ種子採取 松ぼっくりから
- 新聞名:
- 日本経済新聞
- 元URL:
- http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG23028_U2A121C1CC1000/
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 東日本大震災の大津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の再生事業で、住友林業筑波研究所(茨城県つくば市)が、防腐処理のため切断された松の500個の松かさ(松ぼっくり)から16個の種子の採取に成功したことが24日までに分かった。
同研究所は一本松の遺伝子を後世に残す「再生」事業に取り組んでおり、種子を来春まで研究室で低温保存して発芽を試みる予定。
景勝地、高田松原の約7万本の松の中で唯一残った一本松は、陸前高田市が「復興のシンボル」として長期保存を決定。9月に切断された松は防腐処理が施され、来年2月に元の場所に立てられる予定。「再生」事業では、松かさから取った種子のほか、接ぎ木での再生も試みられている。
今回、松かさを採集したのは同研究所の中村健太郎主席研究員(45)らのグループ。切断後に地上に降ろされた最上部の枝から松かさ約千個を採集。潮風でこけむすなどしていたため、洗って陰干しし、11月から調査を開始。500個を調べた段階で全長約4ミリの米粒状の種子16個を採取した。残りの約5
00個にも15個程度の種子が残っているとみられ、年内に確認作業を行う予定。
中村さんは「震災から1年8カ月がたっており、正直種が残っているとは思わなかった。状態は良く発芽する可能性は十分ある」と話している。
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