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- ID:
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24341
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0521
- 見出し:
- 「十勝最遅」のサクラ咲く
- 新聞名:
- WEB TOKACHI
- 元URL:
- http://www.tokachi.co.jp/news/201205/20120520-0012608.php
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 【陸別】町内の桜の名所、上斗満(かみとまむ)交流センターのエゾヤマザクラが満開になった。市街地に桜が少ない陸別にあって、上斗満は地域住民が手入れをして丹精に育ててきた。管内で最も遅く見頃を迎える桜は、地域の“桜守”たちの努力で今年も見事な花を咲かせた。
上斗満は陸別市街から西に約12キロ。地区の中心部にある同センターの広場には、数十本の木が花を付けて風に枝を揺らしている。近くにある旧上斗満小校長住宅の庭では、樹齢110年以上のエゾヤマザクラが濃い桜色の花を付けた。
「先週に霜が2回降りたので心配したがよく咲いてくれた」。上斗満自治会の半谷清寿副会長(74)は、例年以上に厳しい冬を越えて咲いた花をいとおしそうに見上げた。
陸別の市街地には桜の木はほとんどない。20年ほど前には銀河の森に約400本の苗木を植えたが育たなかった。「業者を呼んで試したが根が付かない。付いてもうまく花が咲かなかった」と金澤紘一町長。町民が花見に足を運ぶのが上斗満の桜だ。
1986年の旧上斗満小が廃校後、元PTA会長の故上田秋吉さんらPTAが「学びやの跡に何かを残したい」と約10本を植えたのが始まりだった。10年ほど前からは自治会も植樹を行い、毎年肥料や腐食防止剤を与え、ネズミ対策など手を掛けてきた。大正時代から林業で栄えて戦前は100戸が暮らした
上斗満だが、林業の衰退と共に現在は3分の1に減った。過疎化が進む地域で、学びや跡に咲き続ける桜は住民の心のよりどころでもある。
自治会では今年は苗木約30本を買って植えた。14日には一足先に約30人が集まって花見を行った。自治会の森井喜一会長(76)は「先輩方が植えてくれたから今の桜がある。植樹した桜の花を俺たちは見られないけど、絶やさないように次の世代に残したい」と話している。
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