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- ID:
- 24321
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0517
- 見出し:
- 若年層の参入増を歓迎
- 新聞名:
- 南日本新聞
- 元URL:
- http://www.373news.com/_column/syasetu.php?ym=201205&storyid=40497
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 鹿児島県内で林業の新規就業者数が増加している。県森林経営課の調べによると、2010年度は209人で、136人だった5年前(05年度)の1.5倍、118人だった10年前(00年度)の1.8倍に達した。
11年の鹿児島県の森林面積は58万5000ヘクタールで、全国12位である。木材生産量も58万立方メートルで9位を誇る。この林業県で新規就業者が増加しているのは喜ばしい。
県は昨年、10年後の木材生産量を100万立方メートルにする数値目標を掲げた「森林・林業振興基本計画」を策定した。その目標達成のためにも新規就業者増加は歓迎できる。今後も林業の持つ魅力、環境を守るための林業の重要性などを強調しながら、就業者の増加に全力を傾注してほしい。
新規就業者が増えたのは、03年度から始まった研修者に助成金を支払う国の「緑の雇用担い手育成対策事業」の効果が徐々に浸透していることがある。並行して集材、搬出、造材作業などで高性能機械の導入が進んでおり、これまで敬遠していた若者らが就業しやすくなった事情もあるようだ。
実際、伐倒して枝払いし一定の長さに切って集積するハーベスタ、枝払いして切って集積するプロセッサなど高性能機械は、00年度は50台にすぎなかったが、09年度は113台と倍増した。オペレーター就業に、若者が手応えを感じているのは間違いあるまい。
注目したいのは、新規就業者の増加に伴って県内の林業就業者の若返りが進んでいる点である。
県内の森林組合の作業班員の年齢構成をみると、40歳未満は00年度には10.7%だったが、10年度は27.8%と3割近くに達した。一方で、60歳以上の作業員は00年度に53.2%と半数を超えていたが、10年度は25.9%と4分の1程度に下がっている。
機械化と若年齢化などで、生産性が向上しているのも評価できる。08年度は47万6000立方メートルだった木材生産量は、09年度は51万立方メートルに増え、10年度は58万立方メートルに達した。これは1998年度以降、最も多い生産量である。「基本計画」が掲げる生産量倍増に弾みが付く数字
に違いない。
県は11年度から、県産材を使った家を建てる建築主に一定の金額を助成する「木の家づくり推進事業」を始めた。初年度は300戸の募集に対し、410戸の応募があるなど好評だった。
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