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- ID:
- 24256
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0510
- 見出し:
- 被災地へ友情の大黒柱 気仙沼にスギ贈る
- 新聞名:
- 河北新報
- 元URL:
- http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120510t55012.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 山形県最上町の町民有志7人が、東日本大震災の被災地支援を縁に交流している気仙沼市本吉町前浜地区へ、最上町産スギの大木1本を贈った。前浜地区は集会施設「前浜マリンセンター」を津波で失っており、新たに高台に造ることになった施設の建材に充てられる。親交を表す木を待ち望んでいた地
区の住民は「建物の大黒柱にしたい」と喜んでいる。
4月末、町内の山林で樹齢100年近いスギ(高さ約25メートル、直径80~90センチ)が伐採され、このうち約6メートル分が登米市津山町の製材所に運び込まれた。丸太にして現地に届ける。
有志の一人、花卉(かき)農家の石山登さん(58)は「海と山の末永いお付き合いの象徴になってほしい」と願う。スギの提供に快く応じた山林の所有者大場康次さん(79)も「愛情を持って使ってもらえるなら本望だ」と語った。
震災後、最上町の被災者支援の無料入浴プランで、前浜地区の住民らが赤倉温泉などに招かれ、町民と親交を深めてきた。今回は、新施設の建設に当たり、「友好の証しとして、最上町の木を大事な場所に使いたい」という前浜地区からの申し出に有志が応えた。
新施設は、昨年10月に発足した、住民でつくる建設委員会が中心になって計画を進めている。7月に着工し、12月ごろの完成を目指す。
建設委の畠山幸治委員長(66)は「大黒柱を通じて、頂いた支援を後世に伝えることができる。震災を記憶するという意味でも大きな存在になると思う」と話した。
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