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- ID:
- 24107
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0420
- 見出し:
- 希望の桜満開 那須烏山 震災で50メートル崩落、傾いてなお
- 新聞名:
- 東京新聞
- 元URL:
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20120420/CK2012042002000123.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 被災地に「希望の花」が咲き誇る。東日本大震災で土砂崩れが起きた那須烏山市藤田で、斜面を滑り落ちて倒れた桜が満開の花を咲かせた。
市は震災で震度6弱を記録。市商工観光課によると、同地区は大規模な土砂崩れに見舞われた。周辺の市道脇は桜並木になっており、地元では名所として知られる。このうち、三本が土砂崩れで斜面を約五十メートル下まで崩落したという。
震災から一年余り。横倒しとなり、根が半分ほどむき出しになりながらも、立派な花を咲かせた。土砂崩れの衝撃で裂けた幹にも、花を付けるなど生命力の強さが垣間見える。三十メートルほど滑り落ちた別の一本は、立った状態で斜面にとどまり、ピンク一色に染まる。
桜並木の写真を撮るために訪れた、地元の情報発信事業などに取り組むNPO法人「e-とちぎ」の松田祥世さん(44)は、急斜面に広がる光景を見て、びっくり。「倒れた状態で、生きているだけでなく、花を満開に咲かせていることに元気をもらえた」と話した。
斜面は現在、県が治山工事を進めている。桜の今後の取り扱いについて、担当の県森林整備課は「基礎工事などに支障を来すようであれば、撤去せざるを得ないが、まだ決まっていない」としている。
市商工観光課は「けなげに咲く桜には勇気づけられるが、崩落した危険な場所なので、見に来る人は十分に注意して」と呼び掛けている。
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