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- ID:
- 24072
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0418
- 見出し:
- 県産スギ使った火に強いサッシ 米沢のアルス、普及めざす
- 新聞名:
- 山形新聞
- 元URL:
- http://yamagata-np.jp/news/201204/17/kj_2012041700481.php
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 木製サッシのアルス(米沢市、高橋光雄社長)は、防火性能を高めた県産スギ製のサッシを開発した。難燃剤を使わず最適化設計により防火設備試験に合格。木材の味わいと断熱性を生かした製品に「火に強い」という新たな価値を付加した。住宅の窓は現在、アルミサッシが主流だが、機能性を高めたこ
とで木製サッシの注目度がより高まりそうだ。
スギは断熱性に優れる一方、木材の中でも燃えやすい性質。難燃剤を用いるとコスト面が課題だったが、同社は材質に手を加えず防火設備試験に合格した。同社によると、防火を図るための設計の他、熱で膨張する素材をガラスとサッシの隙間に埋め炎の噴き出しを防いだ。国土交通省に防火認定を申
請しており、量産化を視野に市場拡大を目指す。特許も申請予定。高橋社長は「試行錯誤による工夫で耐火性能と断熱性能を両立させた」と話す。
試験は先月、日本住宅・木材技術センター(東京)で行われた。サッシの外側と内側をバーナーで加熱。800度の高温の中、20分間反対側に炎が噴き出さなければ合格となる。試験の結果、3枚のガラスを重ねたトリプルガラス用、2枚のペアガラス用とも、それぞれ3タイプが合格した。
建具などを手掛けていた同社は10年ほど前から木製サッシ製造と販路開拓に着手。現在は木製サッシに特化しオーダーメードで手掛けている。木材はアルミに比べ熱伝導率が極めて低く結露防止にもつながることなどから、高橋社長は「断熱性能やぬくもりなど木材の良さが見直されている」とし「製品の規
格化を図り木製サッシの普及につなげたい」と話している。
開発には、県工業技術センター(山形市)が木材の劣化を防ぐ保護塗装など、県森林研究研修センター(寒河江市)が木材の乾燥技術について協力した。
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