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- ID:
- 52272
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1202
- 見出し:
- 船修覆場の遺構確認 佐賀市教委
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001112020002
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 世界遺産登録を目指して佐賀市教委が調査を進めている三重津海軍所跡(佐賀市川副町)で、船の修覆場(しゅうふくば)とみられる木製の階段状遺構が新たに確認された。市教委は「修覆場が文献に残る木製蒸気軍艦船(約45メートル)が入ることが可能な大きさだった」とみている。
前回までの調査では、早津江川河口側から約30メートルの場所で4段以上の木製の階段状遺構を確認していた。
11月初旬から始めた今回の調査で、新たに約10メートルほど内陸側を調べ、同様の遺構を発見。明治時代に各藩が持つ船の情報を記した文書「諸藩船艦記」には、同海軍所で修理したとされる木製蒸気軍艦船(電流丸)の全長が45・5メートルという記述があり、修覆場が船の入る規模であったことを
裏付けられたとみている。
遺構からは作業場から流れ込んだとみられる鉄くずも確認。市教委は「内陸側の遺構は水平方向の地滑りに強く、重量物にも耐えられる仕組みになっていた可能性がある。修覆場の全長ははっきりしないが、文献に残る電流丸が修理したという記述の信頼性が高まった」としている。
また、市教委は1日、乙文殊宮(同市大和町梅野)の参道で、矢穴のある石材を確認したと発表した。佐賀城天守台発掘調査指導委員の現地での確認調査の結果、佐賀藩が推し進めた佐賀城構築などの土木事業に使う石材の供給拠点だった可能性があるという。江戸時代の大規模な石切り場跡の
貴重な発見とみている。
三重津海軍所跡の調査現場は、10日に一般向け現地説明会を開き、今回の調査で発掘した木組み遺構を公開する予定。説明会は午前9時半、10時半、11時半の3回。雨天中止。海軍所跡についての問い合わせは市教委文化振興課(0952・40・7368)へ。
石切り場については、安全に配慮して報道陣に限り、5日に公開する予定。
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