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- ID:
- 52221
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1128
- 見出し:
- 目指せ介護資格 岩手・宮城沿岸部の外国出身女性が猛勉強
- 新聞・サイト名:
- 河北新聞
- 元URL:
- http://www.kahoku.co.jp/news/2011/11/20111128t75003.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 東日本大震災で被災した岩手、宮城両県沿岸部の外国出身女性たちによる介護資格の取得プロジェクトが、実を結ぼうとしている。NPO法人などの支援で言葉のハンディを乗り越えて勉強を続け、早ければ来年1月にも介護現場で勤務する。新たな生活に踏み出そうと奮闘が続く。
岩手県住田町の気仙地方森林組合の事務所で今月上旬、フィリピンとチリ出身の女性9人が、ホームヘルパー2級の資格取得の勉強をした。
血圧計や車いすなど介護現場の器具の使い方など実技のほか、福祉現場の用語を学んだ。「けつあつとは、しんぞうからけつえきが…」と黒板に仮名で書かれた説明文を懸命に書き写した。
彼女らの大半は日本人の夫と結婚して家庭を築き、水産加工場や飲食店で働いてきた。だが津波で勤務先が流され、収入源が絶たれた。
フィリピン出身で陸前高田市の佐々木クリスティンさん(27)は家族5人暮らし。勤め先のスナックは津波で流された。別のスナックやレストランでアルバイトをしているが、収入は不安定だ。
昨年5月に101歳で死去した夫の祖母の介護経験を生かそうと思っている。「結構楽しく介護した。私は向いている気がする」と話す。
気仙沼市本吉町の岩槻マリロウさん(39)もフィリピン出身。勤務していた水産加工場が津波で破壊された。家族5人で生活し、宮城県南三陸町でのがれき撤去のアルバイトでしのぐ。「介護施設なら夜の勤務もあり、収入が安定すると思う」と言う。
彼女らを支援しているのはNPO法人難民支援協会(東京)。地元ボランティアらと協力し、6月に日本語の勉強会をスタート。ニチイ学館(同)の資格取得講座を無償で提供する。住田町で学ぶ9人のほか、沿岸部のフィリピン、中国人計9人も講座を受けている。
講師を務める大船渡市の介護福祉士及川喜子さん(62)は「仮設住宅に住む高齢者は生活リズムの変化で体に変調を来す恐れがあり、介護現場の仕事はますます増える。新たな人材が求められている」と語る。
近く彼女らの現場実習が始まり、12月中には2級の資格が取得できる見通し。ただ資格取得はスタート地点。難民支援協会はニチイ学館と協力し、彼女らを雇い入れる介護施設を探す。難民支援協会の田中志穗さん(34)は「みんな本当に頑張っている。就職先のマッチングを成し遂げたい」と話している。
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