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- ID:
- 51323
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0817
- 見出し:
- 天然記念物の大モミ、生存ピンチ
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000001108170002
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- おおい町岡安、依居(えご)神社にある樹齢600年の大モミが危機に直面している。上部の空洞が広がり、幹や枝が折れる危険がある。地区と町教委は空洞から上を切除する方針だが、下の枝葉が少ないため、切断後は生存が厳しくなると樹木医は指摘している。
大モミは1969年に県天然記念物に指定された際の測定で、高さが約50メートル、目通り(目の高さの太さ)が約6メートルあり、枝ぶりも立派だった。923年創建とされる同神社は古樹が多いが、なかでも大モミは遠くから一望でき、全国的にも有数の巨樹とされる。
幹は1953年の台風で上部10メートルが折損したが、近年さらに高さ約25メートルの部分で空洞が広がった。地元の要請を受け、樹木医で「れいなん森林組合」業務部長の池上成志さん(53)が2008年、大型クレーン車を使って空洞に樹脂を詰め、樹勢回復措置をした。
しかし昨年末、今度は大雪の重みで付近の大枝が落ち、空洞は幹の半分以上に広がった。強風が吹くと幹ごと落下して拝殿や参拝者に危険が及びかねない。氏子(59軒、芝原悟総代)は今春、上部の切除を申し合わせた。町教委が工程などを検討し、県教委文化課は補助の請求があれば予算措置を考えるとする。
神社はムラの氏神で、毎朝各戸が交代で地区の安全を祈る。03年刊行の郷土誌の名は「モミの木は見ていた」で、同名の歌も作られた。境内の清掃をしていた石橋武良さん(68)は「子どもの頃はもっと高かった。切られるとさみしい」と話した。
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