v10.0
- ID:
- 51082
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0725
- 見出し:
- カキ養殖復活へ バスツアー奮闘
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20110723-OYT8T00899.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 陸前高田でいかだ作り
丸太にボルトを差し込んでいかだを作る菅原さん(左)と千田さん(岩手県陸前高田市で)=菅原さん提供
東日本大震災で津波の被害を受けた岩手県陸前高田市の漁港で、カキの養殖に使ういかだ作りに協力しようと、船橋市のNPO法人支部代表菅原幸司さん(41)が6月からボランティアのバスツアーを実施している。8月にはこれまでの参加者を中心にボランティア団体も組織する予定で、「3年で600台」
を目標に息の長い支援を続ける考えだ。(大森祐香)
津波で約800台のカキいかだが全滅した陸前高田市の獺沢(うそざわ)漁港。1泊3日のバスツアー参加者ら約10人はここで、仮設住宅暮らしのカキ養殖業者千田(ちだ)晃さん(38)といかだ作りに励んでいる。砂浜で長さ10メートルの丸太を運び、電動ドリルでボルトをさして、丸太を重ねていく。
きつい力仕事だが、参加した植草誠一さん(62)は「何かしたいと思っていた。電動ドリルを使ったこともなかったけれど、自分にもできることがあってうれしい」と話す。菅原さんは知人のほか、ブログ(ネット上の日記)でもボランティアを募り、繰り返し参加する人も増えてきた。
NPO法人「千葉県高齢者生活協同組合」東葛南支部代表の菅原さんは5月、岩手県のボランティアセンターを通じ、千田さん宅のがれき撤去を手伝ったことが縁で千田さんと知り合った。養殖をあきらめる業者も多い中、震災後すぐに仕事を再開するため、東京まで軽トラックを買いに行ったという千田さん
。いかだ作りを始めると聞き、菅原さんは「年の変わらない千田さんの前を向く姿勢に、自分の気持ちも引っ張られた」と話す。
菅原さんは2004年の新潟県中越地震でも約8か月間、住み込みでボランティアをした経験がある。「足しげく通って、酒を酌み交わせるようになって初めて相手の本当の気持ちや要望が分かる。支援を長く続けることはとても大切」。今後、さらにメンバーを増やして、今は月3回ほどのバスツアーを倍に増
やしたいという。
..