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- ID:
- 51045
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0720
- 見出し:
- 軽井沢で「町鳥」アカハラなど減少か NPO調査
- 新聞・サイト名:
- 信濃毎日新聞
- 元URL:
- http://www.shinmai.co.jp/news/20110720/KT110719SJI090012000.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 北佐久郡軽井沢町の「軽井沢野鳥の森」で、カラマツなど背の高い木々の成長に伴う森林化が進み、同町の「町鳥」にもなっているアカハラなどの観察頻度が減っていることが、同町のNPO法人「ピッキオ」の調査で19日までに分かった。ピッキオは「野鳥の保護や多様性という観点から、一帯の間伐も考
えた方がいい」と指摘している。
野鳥の森は、軽井沢駅から北西に約4キロの同町星野に広がる約100ヘクタール。1974(昭和49)年に全国で初めて国設野鳥の森に指定された。カラマツやミズナラなど高木やアブラチャンといった低木が茂り、約80種の野鳥がいる。
92年に同町にすむ野鳥を調べる「野鳥研究室」として発足したピッキオは、95年度に野鳥の森の鳥類調査を開始。毎年20~30回、担当者が森の遊歩道3キロを歩き、左右25メートルで確認される野鳥の数と種類を記録している。昨年10月までに計393回の調査を実施した。
95~97年度と2007~09年度の野鳥の観察頻度(夏鳥は4~10月)を比較したところ、草原や林の縁を好むとされる夏鳥のアカハラは、80・1%から5・1%、キジは25・5%から1・6%とともに大きく減少。一方、高木林を好むとされるヤマガラの観察頻度は38・3%から87・1%に、夏鳥のキビタキは
46・8%から65・0%に、それぞれ増加した。
1回の調査で60種前後、約130羽が観察されており、ピッキオは「野鳥の数や種類数は変わらないが、高木林を好む鳥が増えている傾向にある」と分析。ただ、ヤマガラは暖帯の常用広葉樹林が分布の中心で、亜熱帯域に生息する特定外来種のガビチョウも見られるようになっているため、「温暖化の影
響も出ているのではないか」とする。
野鳥の森の管理・運営を担っていた岩村田営林署(現東信森林管理署)は92年から3年間、野鳥がすみやすいようにカラマツを間伐。ピッキオの広報担当、斉藤あずささん(38)は「人と鳥との触れ合いを学ぶ場として考えたとき、再び何らかの対応が必要な時期に来ている」としている。東信森林管理署
は「今のところ伐採の計画はないが、どんな整備ができるか調査を参考にしたい」としている。
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