v10.0
- ID:
- 50686
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0608
- >見出し:
- 内野樟脳の生産設備が産業遺産に 学会が認定
- >新聞・サイト名:
- 読売新聞
- >元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20110607-OYT8T01237.htm
- >写真・動画など:
- 【写真】
- >記事内容
- 産業考古学会(事務局・東京)は、芳香剤や防虫剤に使われる天然の樟脳(しょうのう)を約150年前から製造しているみやま市瀬高町長田の「内野樟脳(しょうのう)」の生産設備を「推薦産業遺産」に認定した。5代目樟脳師に就任したばかりの内野和代さん(59)は「現役で稼働する設備として残せるよう
に努力したい」と決意を新たにしている。(谷口愛佳)
推薦産業遺産は、国や自治体の文化財には指定されていないが、後世に残すべき重要な生産設備や道具を対象に、1985年から同学会が認定している。内野樟脳の設備は全国で84件目、県内では4件目となる。
天然樟脳はクスノキのチップを蒸し、成分を抽出して作られる。江戸時代には金や銀に次ぐ輸出品として生産が奨励され、1960年代まで国が専売制を敷いていたが、合成樟脳の輸入により衰退。現在、国内では2か所でしか製造されていない。内野樟脳には、専売公社から払い下げられた油圧式圧縮機
やクスノキの丸太をチップにする円盤状の削切(さくせつ)機などがあり、現在も使われている。
同学会所属の大石道義・西日本短期大教授らが約1年前から調査を進め、「樟脳作りの歴史と共に歩んできた工場」として推薦した。
内野さんは5月、急逝した亡夫の後を継いで樟脳師に就任。市の後継者育成支援事業を活用して雇用した嘉麻市出身の藤井勝己さん(35)と樟脳作りに汗を流している。5月に東京で認定証を受け取った内野さんは「評価してもらい、とてもありがたい。丁寧に手入れをしながら守っていきたいですね」と喜びを語った。
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