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- ID:
- 46104
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0523
- 見出し:
- 三瓶小豆原埋没林 よみがえる縄文の巨木
- 新聞・サイト名:
- 山陰中央新報
- 元URL:
- http://www.sanin-chuo.co.jp/shashin/modules/news/article.php?storyid=519853204
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 薄暗い階段を下りると、三瓶山の火山活動によって地底に封じ込められた縄文時代の巨木が、4千年の時を経てよみがえる。大田市三瓶町にある「三瓶小豆原埋没林公園」。2004(平成16)年に国指定天然記念物に指定された埋没林が、発掘時そのままの姿で展示されている。
スポットライトを浴びた巨木が地下展示室で直立する様は、何とも不思議な光景だ。三瓶自然館サヒメルの中村唯史学芸員によると「火山活動に伴って発生した土石流が谷を逆流し、勢いが衰えた地点だったので、立木の状態で残った」という。側には土石流に押し流された倒木もあり、古代へタイムスリップ
した感覚になる。
レンズ越しに巨木の木肌をじっくり眺めると、完ぺきな状態で保存されているのが分かる。「地中に埋もれ地下水に浸された木々は、水分を吸収して適度な保存状態。地下水に酸素がなく、木を腐らせるバクテリア、微生物が繁殖しなかったので、劣化の進行も穏やかだった」。中村学芸員は、そう分析する。
静かな館内を眺め回し、広角レンズに換えてローアングルからあおるように狙った。空耳なのか、地球がはぐくむ大自然の鼓動を聞いたような気がした。
(写真と文 本社報道部・小滝達也)
三瓶山の噴火で埋まった縄文時代の森の姿をとどめる「三瓶小豆原埋没林公園」は、JR大田市駅から車で約20分。埋もれていたスギ、ケヤキなどの立ち木を保存処理し、発掘当時のままの姿で公開している世界唯一の貴重な施設である。
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