v10.0
- ID:
- 48425
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1028
- 見出し:
- 八ケ岳のシカ防護ネット、植生回復に効果の兆し
- 新聞・サイト名:
- 信濃毎日新聞
- 元URL:
- http://www.shinmai.co.jp/news/20101027/KT101026SJI090010000022.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- ニホンジカによる高山植物の食害を防ぐため、南北八ケ岳保護管理運営協議会(事務局・茅野市)が1年前に防護ネットを張った麦草峠(2127メートル)付近で、植生に回復の兆しが見られることが26日分かった。冬を前にネットを一時的に取り外した協議会関係者が確認した。
協議会によると、茅野市・南佐久郡佐久穂町境の同峠近くにはヤナギランの群生地があった。10年ほど前からシカに食われ始め、中部森林管理局(長野市)による昨年の調査では、被害が4段階で最も深刻な「ランクA」。昨年10月、群生地の周囲約700メートルを高さ約2メートルのワイヤ入りネットで
初めて囲い、圧雪対策でいったん外した後、今年5月に再び張った。
26日に取り外し作業をした麦草ヒュッテ経営の島立正広さん(53)によると、長さ10センチ程度に刈り取られたような状態だった群生地では、秋に穂を付けたイワノガリヤスが草丈50センチほどに成長。ヤナギランの開花は未確認ながら葉が成長していた。夏にはクガイソウも咲き、「ネットの効果が出てきてい
る」という。
現場では、ネットを張り直した直後の5月末に2度、中に入ったシカを山小屋関係者や植生調査の大学生が目撃。ネットを首で数十センチ持ち上げて入った可能性があり、その部分をくいで補強した後は目撃情報がないという。
今夏、同様に設置した横岳の「台座の頭」と黒百合平のネットも既に取り外した。3カ所とも雪解けを待って来年5~6月に再び設置する。ネットの効果については信大農学部(上伊那郡南箕輪村)が調査を進めている。
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