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- ID:
- 48402
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1027
- 見出し:
- あっぱれ!おかやま:銘建工業・中島浩一郎社長
- 新聞・サイト名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/area/okayama/news/20101026ddlk33040678000c.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
-
木くずも“宝のなる木” 「ペレット」は全国シェア3分の1--銘建工業(真庭市)中島浩一郎社長
木くずを固めた燃料「ペレット」生産で全国シェア3分の1の会社が真庭市にある。集成材大手の「銘建工業」(真庭市)だ。不要な木くずが「ある物をすべて使う」の社風と中島浩一郎社長(58)が地元有志と17年前から育んだ発想力で収益の柱になりつつある。
父親が社長だった70年に集成材事業を始め、木くずをボイラーで燃やして木材乾燥に使った。84年には小規模発電にも使い夜間電力を賄った。効率が良く、2年で投資費用を回収できたという。
大きく飛躍させたのは中島社長が塾長で93年に地元の若手経営者と立ち上げた「21世紀の真庭塾」だった。過疎化で疲弊する地域に何ができるか、研究者や官僚を招き、80回以上勉強会を重ねた。
企業誘致は簡単にできないし、公共事業にも頼れない。主産業の木材産業に目が向き、「これから先はエネルギーが大切になる」と見通しも生まれた。
97年、当時は専務だった中島社長は発電出力がそれまでの10倍以上のボイラーを設置した。費用は約10億円。「投資を回収できない」と渋る銀行を説得した。高さ20メートル以上の施設を見て「なんたるものを」という声が社内からも上がった。
しかし工場規模が大きくなり消費電力が増えて電気代節約効果が拡大。売電制度が整って外にも売れるようになり、利益を出したという。04年には木質ペレット製造を始めた。
ペレットの国内市場は欧州に比べるとはるかに小さい。売電やペレットの売り上げは全体の3%の約4億5000万円だ。だが「売り上げ10億を目指す」と士気旺盛だ。中島社長は「木の粉はこん包材やペットの敷物など数多くのマーケットがある。可能性は十分です」と力を込めて語った。
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