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- ID:
- 47721
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0915
- 見出し:
- あっぱれ!おかやま:巨大オブジェ「ひょっこり鬼ケ島」を築いた
- 新聞・サイト名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/area/okayama/news/20100914ddlk33040687000c.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
-
流木にこだわる造形作家の岡部玄(げん)さん(62)は北区のJR岡山駅前に流木約600本を組み上げ、高さ約5メートルのドーム型の巨大オブジェを築いた。流木を「海からも陸からも拒絶される存在」と説明し「自分自身も世間からずれていると思い、共感した」と冗談まじりに語る。海辺を歩いた23年前、ゴ
ツゴツした流木を見つけ「余分なものがそがれ、いいと思った」という。
巨大オブジェは、来月30日に開幕する「第25回国民文化祭・おかやま2010(あっ晴れ! おかやま国文祭)」をPRする目的だ。遊び心たっぷりに「ひょっこり鬼ケ島」と名付けた。危険防止のため周囲にめぐらせた柵に「落書きして青く塗ったら、海に浮かぶ島のように見えるな」と思いついたという。
奈義町現代美術館に8月に作った「ラッパが飛び出すような形」のオブジェは長さ20メートル以上の大作。「奈義の耳」と命名した。
87年から流木を使った芸術作品を作り、全国各地で20カ所近く、巨大オブジェを誕生させた。材料を自分で調達する。徳島、高知や鳥取など外海に面した浜辺に多い。5メートルもある流木を一人で持ち上げワンボックスカーに積み込むという。
陸に立っていた木が川を伝い海に流され、再び浜辺に打ち上げられる流木。「ごみと混じりながら波打ち際に横たわる。流木の存在感を生かしたい」
岡部さんは普通の木材は使わないのだろうか。尋ねると、柳の木を切って作品を作ったことがあるという。「でも、酸素よりいいものは作れないよな、と思った。それから生木はやめた」
「ひょっこり鬼ケ島」の内部に踏み入れた。見上げれば組木模様の空。水の中で太陽の方向を見上げたとき、水面にできる模様に似ていた。「いつもの風景なのに少し違って見えるでしょう。五感で体験してほしい」と岡部さんは話した。
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