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- ID:
- 46499
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0621
- 見出し:
- 嬉野「大茶樹」 初の本格調査
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001006210003
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
-
「大茶樹」。うれしの茶発祥の地とされる嬉野市不動山にある樹齢340年といわれる国の天然記念物だ。この樹木に関する初めての本格的な学術調査を、市教委が6月から来年3月にかけて実施する計画だ。大きさは、本場・中国にもこれほどの茶木はないといわれる。地区や市民などから、世界一を登
録する「ギネスブック」に申請する動きなどが出てきた際など、様々な活用の基礎資料にもしたい考えだ。(長沢豊)
旧嬉野町史などによると、嬉野地方での茶の起源は長崎・平戸を経由して、不動山に移り住んだ陶器を焼く唐人が1440(永享12)年、自家用に栽培したのが始まりとされる。本格的な栽培は、藩西地区の警備や山林管理を命じられた肥前白石郷(現・白石町)の鍋島藩士・吉村新兵衛(1603~1657
)が不動山に移住、1648年から1651年(慶安年間)に山野の開墾、茶種まき、製法を農民に指導したのが起こりといわれる。
「大茶樹」は、この間にまいた茶種が生育して今に残ったと伝えられる。本来、茶木は灌木(かん・ぼく)で、あまり大きくならないが、大茶樹には8本の支根があり、高さは約5メートル、枝張りの広さは約100平方メートルある。1926(大正15)年10月20日、国の天然記念物に指定された。
ただ、これまで本格的な学術調査が実施されたことはない。嬉野市教委は県林業試験場や樹木医などの協力で、茶木の種類や少なく見積もっても約340年とされる樹齢の測定、植生などに関しての調査を今年度いっぱいかけて実施する計画だ。
また、先人の偉大な功績である大茶樹を保存し、後世に残すため必要な周辺整備の設計も業者に委託するという。
市教委社会教育課では、得られたデータから国内の茶生産地として知られる鹿児島県や静岡県にもある大茶樹といわれる茶木との比較などにも使いたいという。「大茶樹」に関しては、最近、地区民や市民の間でギネスブックに申請をしようという動きもある。市教委では「機運が高まって、近い将来、動きが
本格化した場合は添付データとして提供したい」という。
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