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木造建築のネツト記事
ID :  2926
公開日 :  2007年  3月 2日
タイトル
[長勝寺で貴重な隅木を発見/弘前
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070302&j=0048&k=200703029496
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写真:
 
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保存修理工事が進められている弘前市西茂森町の長勝寺本堂(国重文)で一日、報道陣に対し工事状況が公開された。これまでの調査から、軒を支える「隅木(すみぎ)」の一本が、全国的にも珍しい「振れ隅 木」という技法が使われていることが分かった。関係者は「建築技術の波及を知る上で貴重な発見となった」と話している。  「振れ隅木」とは、建物の室内から四隅に向かって伸びる「隅木」が、「く」の字状に曲がっているもの。その形状に合わせるため、木材を組む際の高度な技術が必要となる。全国では、国宝の姫路城西小天守(兵庫県)な ど三カ所でのみ確認されており、長勝寺は四例目。その中でも長勝寺のものは角度が最大だという。  調査を行った文化財建造物保存技術協会の技術職員・古賀修一さんによると、通常、隅木の下にある部屋が正方形の場合は、軒の四隅から外壁に当たる桁(けた)に対して、四五度の角度で隅木が伸びるため、振れ隅 木を使う必要がない。しかし長勝寺の場合は、北西の軒下にある西殿寮という部屋が長方形なため、軒先から桁までは四五度だが、桁から室内には三八度の角度になっているという。  隅木は一本の木を削って角度をつけたもので、古賀さんはこの技法について、「指金(さしがね)などを使って木取りを作り出す『規矩術(きくじゅつ)』を使った大変高度な技。平面の設計図に合わせ、建設に当たった宮 大工が行ったのだろう」と話している。  また、弘前市文化財保護課の宮川慎一郎課長は「長勝寺建立の一六一〇年当時が城下町建設ラッシュだったことを考えると、手間と木材が余分に必要なこの技法は、宮大工が自分の技術を誇示するために使った可能 性もある」と述べる。  長勝寺の須藤祥二住職は「当時の用具を考えると、至難の業だったと思う。今後もこれを守り、その技を後世に伝えていきたい」と話していた。