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木造建築のネツト記事
ID :  2592
公開日 :  2007年  1月27日
タイトル
[明治の民家、かく建てたり 京丹後「稲葉家住宅」普請帳で解明
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007012700036&genre=M2&area=K60
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元urltop:
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写真:
 
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明治中期に建てられた京都府京丹後市久美浜町の国登録文化財、稲葉家住宅の工事や祭事などの詳細を、京都府立大人間環境学部の大場修教授、高木美佐さん(大学院修士修了、京都市嘱託職員)らが普 請(建築工事)帳類から解明し論文にまとめた。当時の民家の建築過程は不明な点が多く、「民家普請のドキュメンタリー」(大場教授)として貴重な知見という。  稲葉家は江戸から昭和に回船業などを営んだ豪商で、旧国鉄宮津線(現・北近畿タンゴ鉄道)の久美浜-豊岡間の鉄道敷設に私財を投じるなど地域の発展に尽くした。  住宅は、瓦ぶき2階建ての母家(主屋)を中心に奥座敷や土蔵などで構成しており、明治18(1885)年から6年がかりで建築された。工事計画や記録、絵図など100点を超える帳類「稲葉家普請文書」が残されており、 現存の建物と比較して解読した。  工事は、稲葉家の建築総務懸が1元監理。用材の等級や調達法を記した「目論見帳」から、目立つ柱にはケヤキなど高級材を用い、装飾材も1階座敷は松、2階座敷はヒノキなど使い分けていることが分かった。購入先 は近辺が多かったが但馬地方からも購入していた。  礎石を置く前の「石場つき」は11日間にわたって行われ、初日は263人の親類縁者らが参加、見物人も1000人を超えるなど家の格を示す盛大な行事だった。職人の勤務時間は、日の長さで変化する近世の習慣が残 っていた。  研究は住宅総合研究財団(東京)の助成で実施。高木さんは修士論文にまとめ日本建築学会の優秀修士論文賞を受けた。高木さんは「当主の直営工事という近代的な手法の一方で、近世的な普請行事もあり興味深い 地域の中で家を建てるという考え方がしっかりとあり、家の建築が、その家の社会的地位を確認する場だったことがよく分かる」と話している。