地場産材を使った村営住宅は、地元に家を建てるなら地元で育った木が材料に適しているという「適地適木」の理念と地産地消の推進が目的。同村が地場産材で公営住宅を建設するのは初めて。
村有林で伐採したスギやアカマツなどの木材を使用して地元の建設業者・久慈建設(久慈倫平社長)が施工し、木目を生かしたフローリングの床や柱など自然のぬくもりがある住宅に仕上げる。木造平屋で1棟当 たりの床面積は約72平方メートル。国道45号から約500メートルの場所に位置し交通の便も良い。
国の地域住宅交付金の補助を受け「村営新山住宅整備事業」として2006年度に5棟、07年度4棟を建設し、総額は1億2000万円。06年度の5棟は3月初めに完成する予定で、同月に入居者の公募も行う。
現地で昨年12月下旬に行われた上棟式には村職員や建設関係者、地域住民らが出席し、棟上げを祝った。神事で工事の安全を祈願した後、小田祐士村長や久慈社長が1000個の祝いもち(もち米15キロ分)や菓 子を屋根の上からまき、出席した住民は歓声を上げてもちを拾い集めた。
小田村長は「安い輸入材よりも、地元の気候で育った木材の方が優れた建築材となる。地元木材をはじめとした地場産品の価値や魅力を見直すきっかけになれば何よりだ」と期待している。