ID :
2288
公開日 :
2006年
12月14日
タイトル
[山本喜誉司賞に輝く篤農家 ゴイアーバ一筋に品種改良
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新聞名
http://www.spshimbun.com.br/content.cfm?DO_N_ID=14311
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元urltop:
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写真:
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第三十六回の山本喜誉司賞を先月二十四日に受賞した佐藤ペードロさん(七十歳)が品種改良を行ったゴイアーバ種「ペードロ・サトー」は確実に市場に普及し、「将来リオで生産されるゴイアーバの百%が『
ペードロ・サトー』になるだろう」と言われている
佐藤さんは一九六六年からリオ州ノーバイグアス郡チングアでゴイアーバの栽培を初めた。「美味しいと認めてもられるゴイアーバを作ろう」と地道な品種改良の結果、「ペードロ・サトー」を生み出した
一九七三年、佐藤さんは生育の良かった一本のゴイアーバの木に注目。それを当時、コチア青年のサンパウロの技師責任者だった古賀けんじさんの指導の下、接ぎ木によって増やした
「古賀さんはサンパウロからリオまで何度も足を運んでくれました」と佐藤さんは振りかえり、「どの木がいい、これを試してみなさいと細かい指導を懸命になってしてくれました」と話した
次に佐藤さんは接ぎ木によって増やしたゴイアーバの中から条件の良いものを選定し、実った果実から種を取り、またそこから良いものを選び、接ぎ木による品種改良を繰返した
品種改良の過程で佐藤さんは「剪定するのが一番難しかった」という。「ゴイアーバの木は伸びるのが速く、枝を切りすぎても花が咲かず実が減り、枝を伸ばしすぎても周りの木との間隔が狭くなり育ちが悪くなる」と説明
した
一九九〇年に佐藤さんは品種改良してできたゴイアーバに「ペードロ・サトー」と自身の名前を発表。そして、一九九八年に「ペードロ・サトー」が確立された。それまでの間、佐藤さんは自身が手掛けたゴイアーバを試す
ために、他の農家に苗を無料で配り、そこでよい評価を得た。現在、多くのゴイアバ農家が「ペードロ・サトー」を採用しているが、その多くが試験してもらうために配った苗がもとになっているという
妻のセツ子さん(六十三歳)は「ペードロ・サトー」は従来種と比べ「実が大きく、色が赤く、日持ちがする」と話す。「主人をいつも手伝い、一緒にがんばってきました」と試行錯誤の日々を振り返った
現在、息子のマウロ則秋さん(三十四歳)が佐藤さんの後を継ぎ、七ヘクタールの畑に約千本のゴイアーバを育ている。マウロさんは一九九五年、JICAの研修生として沖縄で接ぎ木の技術を学んでおり、佐藤さんは「
もう少ししたらできるようになるだろう」と品種改良に成功することに期待をしている
山本喜誉司賞の授賞式で佐藤さんは「皆さんに美味しいゴイアーバだといってもらえたので、今日私はここにいます」と話していた。