ID :
2158
公開日 :
2006年
11月27日
タイトル
[「命の尊さ伝えたい」老桜を立体標本に 京都府立植物園
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新聞名
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200611270013.html
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元urltop:
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写真:
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大正時代から続く京都府立植物園(京都市左京区)で7月、園とほぼ同じ「80歳」のソメイヨシノ(高さ約8メートル、直径約60センチ)が枯れた。戦後、同園が進駐軍に接収された際も伐採を免れたが、花見な
どで人に根元を踏まれ、根が水を吸い上げる力が弱まり枯れてしまった。職員らが「命の大切さが伝われば」と、根や幹にニスを塗り、立体標本にして11月下旬から公開している。
この桜は同園の桜林の一角にあった。戦後、進駐軍が住宅などを造るため、同園の樹木約2万5千本のうち約1万9千本を切ったが、この桜は難を逃れた。同園は57年に進駐軍から返還され、61年に再開。この桜は再
び来園者の目を楽しませたが、今年夏に枯れてしまった。
桜を焼却するのは忍びないと、職員たちが子ども向けの教材として標本にすることを提案。根の土を落としてニスを塗り、鉄製の土台に固定して屋根も付けた。根の長い部分は2メートルほどある。
松谷茂園長は「外からは見えない根がしっかりしていないと、花を咲かせることはできない。人間も同じ。頑張った老桜の根を見て、命の尊さを感じてもらいたい」と話している。