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木造建築のネツト記事
ID :  15282
公開日 :  2010年 3月 5日
タイトル
[古民家で見学会、宮大工の弟子が解説/愛川
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新聞名
カナロコ
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元URL.
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1003050032/
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元urltop:
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写真:
 
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国登録有形文化財の「古民家山十邸」(愛川町中津)で5日、見学会が開かれ、地元の工務店経営鈴木光雄さん(71)が解説に当たった。山十邸は愛川町半原に続いた宮大工「矢内家」が建てたといわれ、鈴木 さんは矢内家の研究家で、自身も矢内家14代目のひ孫弟子。鈴木さんの知識や経験に裏打ちされた話に、見学者らは興味深そうに聞き入っていた。
 山十邸は、明治初期、豪農熊坂半兵衛(1839~97)の邸宅として、矢内家の14代目、右兵衛高光(1822~1907)の3兄弟によって建てられたといわれている。終戦前後、思想家の大川周明の住居だったことでも知 られ、薬医門、母屋、土蔵、枯れ山水の庭園などが公開されている。
 鈴木さんは、厚木市教育委員会主催の見学会で訪れた約30人に、薬医門や庄屋造りの建物などを説明。母屋の大黒柱は「直径60センチの丸太でつくられた」と解説すると、参加者から「がっしりしている」と感嘆の声が あがった。また、門と母屋入り口が一直線でないことに「当時の住宅は一直線を嫌い、アクセントを付けていた」とし、床が高いのは「農作業の資材置き場などに活用し、風通しをよくするため」などと説明していた。
 見学会は厚木市の有形文化財に指定されている「古民家岸邸」(上荻野)でも行われた。岸邸の門も矢内家が建てたといわれる。
 鈴木さんは昨年、矢内家の調査研究20年の区切りとして「半原宮大工矢内匠家匠歴譜」(A4半、257ページ)を自費出版した。